2013 Fiscal Year Research-status Report
高温面の急速冷却中に形成される安定な固液接触面の拡大開始に関する熱的特性の解明
Project/Area Number |
24560238
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
門出 政則 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 教授 (80109222)
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Keywords | 固液接触温度 / 相変化 / ぬれ / 均一自発核生成 / 遷移沸騰 |
Research Abstract |
実験装置及び目標とする測定方法の妥当性を検証した. 固液接触が生じる限界温度についてのモデルを提案し,固液接触時の限界温度,即ち下限界温度の特性を検討した.その結果,固体表面にスケールなどが付着すると下限界温度が大きく影響を受ける.そのスケールの熱慣性が下限温度に及ぼす影響を解析的に明らかにした.解析結果は,従来報告されている実験結果と定性的に良く一致している. 高温面の非定常冷却中固液接触が繰り返し発生する,その状況下での固体表面温度と表面熱流束を逆問題解析手法を用いて正確に測定することができた.また,非定常冷却中の表面温度が下限界温度以下に達成した時刻以降に生じる濡れ面の拡大についての観察を行った. 濡れ面の拡大を支配するパラメーターについては,検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非定常冷却中の固液接触繰り返しにおける表面温度と表面熱流束を逆問題解析を適用することによって正確に推定することができるようになった. 推定された温度変化と熱流束変化から固液接触時間を推定することができるようになった. 安定な固液の接触開始時の温度を明らかにすることができた.そして,安定な固液接触の拡大について検討することが可能となった.
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Strategy for Future Research Activity |
固液接触時の表面温度と表面熱流束変化と高速ビデオカメラから得られた高温面上の流動状況とを連成させ,固液接触と非接触を繰り返す状況下での濡れ時間と非濡れ時間の関係と冷却曲線上でそれらの時間がどのように推移しているかを解析する.解析された流動状況と表面温度と熱流束の関係を検討する. 固液の接触特性と熱的な関わりを検討する.具体的には,高温面の温度を水で冷却する場合,500 ~700℃,またアルコールで冷却する場合,200 ~ 300℃の範囲で,また液体の衝突速度もできるだけ広い範囲で変化させる.
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