2012 Fiscal Year Research-status Report
電気自動車、ハイブリッド電気自動車用バッテリ群の最適制御技術
Project/Area Number |
24560273
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
坂本 俊之 東海大学, 工学部, 教授 (00609399)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
ハイブリッド電気自動車(HEVs)の駆動用電池は,化学反応を伴うため,寿命問題は避けて通れない.本研究では,駆動用電池として主流であるニッケル水素電池を取上げた.代表的な劣化パラメータである電池の充電状態を表すSOCと,電池温度に対する電池の内部抵抗の関係を求めた.上記劣化パラメータは,市場環境を想定した範囲で変化させて,電池の内部抵抗であるACインピーダンス特性を実験的に求めた.そしてACインピーダンス特性を用いた劣化パラメータ評価の可能性を検証した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶構造が異なる市販のニッケル水素二次電池2タイプの実験から次の知見を得た. (1) 超格子合金構造を持つ電池(Bタイプ)は,一般的なAB5型結晶構造を持つ電池(Aタイプ)より,全SOCで低いACインピーダンス値を示した. (2) 中間SOCで,最低のACインピーダンス値を示した. (3) 低温(-5℃)の中間SOC以下の領域では,ACインピーダンス値が大きく上昇した.低温の中間SOC以上の領域では,AタイプはACインピーダンス値が上昇するものの,Bタイプは殆ど上昇しない特性を示した. (4) 高温(50℃)では,常温(22℃)に対しACインピーダンス値が低下するものの,差異は常温に対する低温(-5℃)ほども乖離しないことが分かった.
|
Strategy for Future Research Activity |
ニッケル水素電池を取上げ,代表的な劣化パラメータに関する劣化挙動(ACインピーダンス挙動)を単体試験より確認した.組電池でも試験を並行で続けているが,同一負荷を加えても,ACインピーダンス挙動が異なることが分かってきた.引き続き研究を進めて,バラつきが拡大しない最適な制御手法に繋げて行く考えである. なお,今まで分かった電池の挙動は,代表的な劣化パラメータについて特筆すべき特性を示したので,制御技術に生かすべく,特許化へ繋げる考えである.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)平成24年度未使用額生じた理由:①平成24年度購入予定申請していた恒温槽は、当該年度の学内器材費と教材費を原資をとして先行導入したため不要となった.②平成24年度購入予定申請していた充放電試験装置及び電子負荷装置は、予算枠内では枠内では機能不足(単セルバッテリの試験はできるが、組みバッテリ試験までカバーできる容量がない)ため、次年度予算と合算し、今年度の導入は見合わせることとした.③一方、試験結果の試料測定するACインピーダンス計の機能アップが近々の課題となり(現所有の計器は、測定周波数をスィープさせた場合に100HZ付近で共振現象起こし、この領域の試料の測定が不可能となった)優先導入する費用処理を行った.④上記の経緯から、平成24年度未使用額が生じることとなった. (2)平成25年度予算の使用計画:①平成24年度未使用額含め次の装置を購入し研究を進展させる.品名:充放電試験装置及び電子負荷装置システム、仕様:北斗電工・HJD1010SD8、単価:1,872,000円、台数:1 ②本装置の導入により、組みバッテリ試験までカバーできる容量が確保できるため、ラボレベルの単体試験から、リアルワールドの実機試験の再現が可能となる.当初からの研究が確実に進展できることになる.
|
Research Products
(4 results)