2012 Fiscal Year Research-status Report
超電導磁気浮上式鉄道の地上コイル絶縁劣化診断のための電磁波センシング技術の開発
Project/Area Number |
24560335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川田 昌武 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (00303686)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超電導磁気浮上式鉄道 / 地上コイル / 絶縁診断 / 部分放電 / 放射電磁波 / 電磁波センシング技術 / 計算電磁気学手法 |
Research Abstract |
超電導磁気浮上式鉄道の地上コイルは車両の推進、浮上、案内において重要な設備である。地上コイルは巻線コイルを絶縁樹脂で成形した構造となっており、長期にわたり機械的、電気的、環境的負荷が複合的に加わる。本研究では、この地上コイルの絶縁樹脂の劣化予兆現象の一つである部分放電を非接触で検出する電磁波センシング技術の開発を実施している。本年度計画では「絶縁樹脂内の模擬欠陥による部分放電実験と放射電磁波測定、解析」を目標とし、下記を実施した。 1.設備・備品の購入(デジタルオシロスコープ)、2.絶縁樹脂の模擬欠陥の製作、3.絶縁樹脂への電圧印加用の電極形状、配置の検討と製作、4.計算電磁気学手法による部分放電放射電磁波の可視化プログラムの作成 また、来年度実施予定の一部である下記を実施した。 5.部分放電位置特定のための信号処理の開発、6.雑音除去法の開発、7.部分放電放射電磁波測定による模擬劣化箇所特定実験(標準球ギャップ電極を用いた部分放電放射電磁波測定とその位置特定) 上記5、6、7により、部分放電の位置を提案する電磁波センシングシステムにより特定できることを示した。しかしながら、模擬欠陥を有する絶縁樹脂を用いた部分放電実験、放射電磁波測定、解析を実施できなかったことから、来年度、実施する予定である。なお、上記7の標準球ギャップ電極を用いた部分放電放射電磁波の測定結果は、模擬欠陥を有する絶縁樹脂での部分放電放射電磁波測定の場合と比較できることから、放射電磁波から絶縁樹脂の劣化状態を把握する上で有用な結果が得られたと考えている。本年度の研究成果の一部は、米国電気電子工学会の絶縁・誘電部門主催の「第31回 電気絶縁に関する国際会議、2013年6月、オタワ(カナダ)」に採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに下記を実施している。1.設備・備品の購入(デジタルオシロスコープ)、2.絶縁樹脂の模擬欠陥の製作、3.絶縁樹脂への電圧印加用の電極形状、配置の検討と製作、4.計算電磁気学手法による部分放電放射電磁波の可視化プログラムの作成 また、来年度実施予定の一部である下記を実施している。5.部分放電位置特定のための信号処理の開発、6.雑音除去法の開発、7.部分放電放射電磁波測定による模擬劣化箇所特定実験(標準球ギャップ電極を用いた部分放電放射電磁波測定とその位置特定) しかしながら、本年度実施予定であった模擬欠陥を有する絶縁樹脂を用いた部分放電実験、放射電磁波測定、解析を実施できていないことから、来年度に実施する予定である。以上から、当初の計画と多少の前後はあるが、「おおむね順調に進展している」と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画は下記のとおりである。 1.模擬欠陥を有する絶縁樹脂を用いた部分放電実験、放射電磁波測定、解析、2.部分放電位置特定のための信号処理、雑音除去法の開発、評価、3.部分放電放射電磁波の測定、位置特定実験、4.計算電磁気学手法による部分放電放射電磁波可視化の計算機実験 5.小型アンテナの製作、評価 なお、上記2、3については、現在までに既に実施しているが、部分放電位置特定の高精度化、耐雑音性能の向上を目標として継続する予定である。また、国内外研究機関の研究者との情報交換や情報収集も積極的に進める予定としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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