2013 Fiscal Year Research-status Report
金属流体電磁ポンプとマルチグリッド法による電磁流体有限要素解析
Project/Area Number |
24560352
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Research Institution | Research Institute for Applied Sciences |
Principal Investigator |
島崎 眞昭 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 研究員 (60026242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美舩 健 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20362460)
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Keywords | 非圧縮性電磁流体 / Navier-Stokes方程式 / SUPG/PSPG / AMG法 |
Research Abstract |
液体金属電磁ポンプのシミュレーションプログラムの開発を進めその中心として 非圧縮性流体-磁界連成解析プログラムの開発および高速化のためのAMG法のプログラム開発を行った。 (1)非圧縮性電磁流体プログラムの開発 2次元及び3次元の非圧縮性流体に関するNavier-Stokes方程式に対するSUPG (Streamline Upwind/Petrov-Galerkin)法による流体解析については、24年度までに、係数行 列をCRS (Compressed Row Strage)形式で保存する流体解析プログラムを開発し てきた。25年度には、この2次元流体解析プログラムに追加する形で2次元節点要 素磁界解析プログラムを開発し、流体‐磁界連成解析を行うことを可能にした。 フラット型誘導電磁ポンプへの応用を想定した簡易モデルについて、予備的な数 値計算を行った。 (2)代数マルチグリッド法による高速化 前項で開発したプログラムによる計算では、流体と磁界に関する有限要素解析に 現れる線型方程式の反復求解に、計算時間の大半が費やされる。25年度には、流 体解析・磁界解析の両方について、代数マルチグリッド法の応用による反復求解 の高速化について検討を行った。流体解析では、速度・圧力を未知数としたSUPG 法により導かれる係数行列全体に代数マルチグリッド法を直接適用すると、十分 な高速化がなされないケースが観察された。しかしながら圧力に関する部分行列 のみに代数マルチグリッド法を適用することで、この問題を避けて、良好な結果 を得られることが確認された。一方、磁界解析については、特に困難なく代数マ ルチグリッド法による高速化の効果が得られることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2次元及び3次元の非圧縮性流体に対する安定化有限要素法のプログラム開発が大体進んだ。要素毎に要素行列を作成する有限要素コードを開発したが、AMG法を適用するには全体要素行列を作成する必要がある。要素全体行列はスパース行列になるため、記憶域の圧縮を図る必要があり、我々は標準的なCRS形式を採用することにした。このため安定化有限要素法のプログラムの大幅な変更が必要になり、デバッグに多大な時間を必要としたが、2次元及び3次元のcavity flow problem に対して、妥当な計算結果が得られることが確認でき、ほぼ計画通りの進捗状況と言える状況にある。またAMG法がこの場合にも有効であることの見通しが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き非圧縮電磁流体に関する安定化有限要素法のプログラムの開発を続ける。開発された計算機プログラムの整理、データ構造の整理を行う予定である。また計算機プログラムの検証に力を入れる。単純な例になるが正解の得られる問題を少しではあるが利用して、計算機プログラムの検証を進め、有効性を高める予定である。 25年度に開発した2次元流体-磁界連成解析プログラムについては、電磁力計算部分に使用する形状関数の妥当性の吟味が十分でないため、これについて検討を進める。また、より実用に近いモデルの解析を行う。さらに3次元解析プログラムについても、現在までに開発されている流体解析プログラムについて、辺要素磁界解析と連携する形の連成解析プログラムの開発と、代数マルチグリッド法の応用による高速化の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に予定していたデスクトップPC,Fortran/C++コンパイラの購入を26年度に延期したため、予算を繰り越した。 26年度の使用は以下のように予定している。 物品費 デスクトップPC(Core i7 4930K, intel X79Express, DDR3-1600 32GB相当)2台 \242,460×2 = \484,920 外国旅費 \350,000 国内旅費\150,000 その他 インテル Composer XE 2013 Windows 版 Floating 2-Pack アカデミック 日本語版 \293,760
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