2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560403
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 真毅 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (10283657)
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Keywords | マイクロ波 / 無線電力伝送 / 無線通信ネットワーク / ZigBee |
Research Abstract |
本年度は,ワイヤレスセンサネットワークのメンテナンスコストの削減を目的として,ワイヤレスセンサネットワークに適した無線通信規格ZigBeeを搭載したワイヤレスセンサ端末の電源をマイクロ波電力伝送によって電源を確保し,バッテリレス動作させるための研究を行った. まず,昨年度に引き続き、受電装置におけるRF-DC整流回路の検討及び作成を行った.パルスマイクロ波電力伝送において蓄電用キャパシタとDC--DCコンバータは不可欠な素子であるが,この2つの素子によってRF-DC整流回路からみた負荷が常に変動する.従って,受電装置に用いるべきRF-DC整流回路の特性は,広い負荷範囲において高いRF-DC変換効率である.広い負荷範囲において高いRF-DC変換効率で動作するRF-DC整流回路として,反射波利用型RF-DC整流回路とRF-DC--DC回路の検討を行った.反射波利用型RF-DC整流回路について実際に設計及び試作を行い,150 Ωから1.1 kΩの負荷範囲に対して58% 以上のRF-DC変換効率で動作する回路を作成することができた. 送電スケジューリングを用いたパルスマイクロ波電力供給システムを構築し,実際にワイヤレスセンサ端末のバッテリレス駆動を行わせる実験を行った.受電装置のRF-DC整流回路には開発した反射波利用型RF-DC整流回路を用いた.1台のワイヤレスセンサ端末に対するパルスマイクロ波電力供給実験では,24分間のバッテリレス駆動及び正常な通信を確認した.2台のワイヤレスセンサ端末に対する電力供給実験では,送電スケジューリングプログラムの不具合によって送電が正常に行われないことがあったが,2台のワイヤレスセンサ共に74分間のバッテリレス駆動及び正常な通信を行わせることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度はZigBeeセンサーに最適なパルス波整流用高効率整流回路の開発を行う計画であった。この計画に対し、今年度は新たに発案したレクテナ用RF-DC整流回路として,反射波利用型RF-DC整流回路とRF-DC--DC回路の検討を行った.反射波利用型RF-DC整流回路について実際に設計及び試作を行い,150 Ωから1.1 kΩの負荷範囲に対して58% 以上のRF-DC変換効率で動作する回路を作成することができた.これは今年度の課題を達成したことを示す。 さらに今年度はパルス波整流用高効率整流回路の開発のみならず、送電スケジューリングを用いたパルスマイクロ波電力供給システムを実際に構築し,ワイヤレスセンサ端末のバッテリレス駆動を行わせる実験まで進めることができた.受電装置のRF-DC整流回路には開発した反射波利用型RF-DC整流回路を用い、1台のワイヤレスセンサ端末に対するパルスマイクロ波電力供給実験では,24分間のバッテリレス駆動及び正常な通信を、2台のワイヤレスセンサ端末に対する電力供給実験では, 2台のワイヤレスセンサ共に74分間のバッテリレス駆動及び正常な通信を行わせることがそれぞれできた.これは本研究の当初目的に向けて計画よりも進歩した取り組みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究の最終年度として、ワイヤレスセンサー用パルス無線電力伝送システムの完成を目指す。前年度までに開発したワイヤレスセンサーの動作状態の変化によっても効率が変動しないレクテナRF-DC整流回路をさらに改良し、常に高効率でワイヤレス電力を供給し続けるパルス無線電力伝送システムを開発し、実証実験を行うことで本研究のまとめとする。
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Research Products
(3 results)