2013 Fiscal Year Research-status Report
テラヘルツ波エリプソメトリー用小型モジュールの開発
Project/Area Number |
24560412
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 弘 北里大学, 一般教育部, 教授 (50525384)
|
Keywords | UTC-PD / ショットキーバリアダイオード / 平面アンテナ / テラヘルツ / モジュール / エリプソメトリー |
Research Abstract |
1.平面アンテナ:本研究の主要な構成部品であるテラヘルツ帯平面アンテナについては、今年度試作したSBD用素子の特性評価結果を踏まえ、UTC-PD用に改良した構成を決定して再設計を行い、アンテナ集積UTC-PDの試作に反映させた。また、試作した様々な構成の平面アンテナを集積化した素子の特性を比較・解析することにより、それらに共通する共振モードや偏波決定要因などを抽出し、平面アンテナ設計に関する体系的な知見を明らかにした。 2.UTC-PD、及びSBD:昨年度明らかにした新たな平面アンテナ構成と偏波特性改善のための素子構成法を反映させ、テラヘルツ波検出素子であるSBDとアンテナをモノリシック集積化した素子を試作し、準光学型モジュールに実装して特性評価を行った。その結果、昨年度試作した素子よりも優れた直線偏波特性、低周波域の共振が改善された周波数特性、及び30GHzから1THzまでをカバーする極めて広帯域な出力特性を実験的に確認した。また、これらの結果をアンテナ集積UTC-PDの設計に反映し、改良した素子の試作を実施した。 3.準光学型モジュール構成技術:試作を行ったUTC-PD及びSBDを実装した準光学型モジュールを作製し、素子特性の評価を実現すると共に、モジュール構成に関する改良指針を抽出した。ただし現状の構成でも性能上の支障は無いことから、筐体構成のさらなる変更は行わず、計測技術への適用を優先して進めることとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
UTC-PD、SBD、及び準光学型モジュールの改良試作を当初計画よりも早めて実施することで、目標とする広帯域特性と直線偏波特性を実現する見通しを得た。また、様々な平面アンテナの特性を比較・解析することで、アンテナの偏波制御に関する体系的な知見を明らかにした。これらにより、次年度に計画している各モジュールによる目標性能の実現を、当初計画よりも前倒しで実現できる見通しを得た。以上の結果は当初計画よりもやや進んでいるが、全体としてはおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い、改良したモジュール(アンテナ集積UTC-PD、及びアンテナ集積SBD)の評価を進め、目標性能を実現する。また、試作した部品を用いたエリプソメトリー測定系を構築し、計測技術への適用性を検証する。さらに、部品の適用領域拡大を目指し、連携先の模索を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
概ね計画通りに使用したが、見積価格の変動や値引きなどにより若干の差額が生じた。 基本的に、当初計画に従って使用する予定である。
|