2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560463
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
市坪 信一 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30457452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 正治 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (50335577)
冨里 繁 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60362951)
西 正博 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30316137)
新 浩一 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (10509053)
|
Keywords | 通信工学 / 通信方式 / 電波伝搬 / 移動通信 / 伝搬損失 / 傾斜地 |
Research Abstract |
携帯電話サービスはもはや生活インフラになっているため国民の生活圏を全てカバーする必要がある。国内の地方都市では傾斜地に住宅地が形成されることが多いため、この住宅地をサービスエリアとして拡充することは重要課題である。しかし、携帯電話システムの設計では電波伝搬特性が不可欠であるが、傾斜地エリアに対する特性が明らかでない。そこで、傾斜地での伝搬損失を精度良く求める推定方法を、フィールド実験やスケールモデル実験に基づいて検討している。 初年度(H24年度)は、広島市と北九州市の傾斜地で伝搬測定を行い伝搬損失の基礎データを収集した。また、これらを元に広島市立大学は垂直面角度と傾斜角度を用いた推定方法を、九州工業大学では基地局高補正を用いた推定方法を提案した。岡山大学は以前から仰角を用いる推定方法を提案している。H25年度はこれらを踏まえて、各大学で取得した基礎データをもちより、各大学が提案した推定方法の適用範囲や推定精度の検証を行った。また、広島市立大学と岡山大学は共同で広島市の大字伴で、九州工業大学は比較のために古賀市にある平地の住宅地でそれぞれ追加の伝搬測定を行った。 岡山大学は提案した仰角補正法の適用性や推定精度を岡山市の半田山、広島市のあさおか台、北九州市の志井鷹羽台のデータを用いて検証した。広島市立大学も同様に提案した垂直面角度差分補正法を3地区のデータを元に検証した。九州工業大学も提案した基地局高補正法を北九州市のデータ及びスケールモデル測定により得られたデータで検証した。これらの検討によりそれぞれの提案方法の適用性や推定精度が明らかになってきた。この他にも、岡山大学では傾斜地の上に基地局があり傾斜地を見下ろす環境での伝搬特性や、基地局から傾斜地を見たときの仰角の距離特性を地図から求める場合のメッシュ間隔についての検討も行った。これらの検討結果を大学共同で学会発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目となるH25年度には追加の伝搬測定を行い、各大学で測定したデータを元にそれぞれの提案方法を検証できた。提案方法の検証に関する学会発表は9件あり、詳細な検証が行われてきた。また、提案方法を検証する中で提案方法を適用できない場合も見つかっている。適用できない場合の原因なども検討されているが、まだ改善策が明らかになっていない。来年度が最終年度であるため、これらの問題を解決して精度の良い推定方法にまとめる必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度が最終年度となるため、マイクロセル内にある傾斜地の伝搬損失推定方法をまとめる必要がある。実環境での測定データも数多くあることから統計的な解析や場合分けによる解析方法が考えられる。H26年度はデータ解析を中心に行い、実用的な推定方法の確立を目指す。 H26年度の予算には備品や消耗品といった物品購入の計画はなく、学会発表のための旅費や3大学打合せや伝搬調査のための旅費を計画している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費と旅費費の端数として残った予算であり、切りよく使用できなかったため。 来年度の学会発表等の旅費として使う予定。
|
Research Products
(14 results)