2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長篠 博文 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 正武 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流, / アメリカ合衆国 / システム工学 / 脳波 / 聴覚 / 耳鳴り / 数理モデル / 可塑性 |
Research Abstract |
脳活動システムの状態を推定し,また脳活動状態の変化を数理モデルで表現することができれば,脳波の異常や脳活動変化を伴う疾患の診断・治療支援に活用できる。本研究では,脳波計測システム及び脳活動システムの可塑性に着目した数理モデルの構築を通して,脳活動状態を解析するシステムを開発し,これを特に聴覚系における周期的刺激の想起や耳鳴り音響療法治療過程に適用することを目的として研究を行い,次の成果を得た。 1.脳活動状態推定をリアルタイムで行うシステムの性能向上を実現するため,システムソフトウェアのさらなる高速化を図るとともに,脳波計測におけるニューラルネットワークや独立成分分析の手法を用いて眼球運動・峻目などのアーティファクト除去性能を改善した。 2.周期的聴覚刺激(クリック音)を被験者に与えて学習させ,その想起を行わせる実験を行い,想起における脳信号源を,ニューラルネットワークを用いて推定した。さらに,刺激が存在する場合と存在しない場合について,被験者に回答させ,正誤それぞれの脳波の特徴を比較する実験や,周期的タッピングに対する非同期刺激の影響の解析を行って,成果を得た。 3.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するために前年度までに改良したできるだけ簡素な数理モデル(神経振動子を用いたモデルと,神経細胞モデルにHodgkin-Huxleyモデルを縮約したものを用いたモデル)の解析を行った。前者においては,雑音入力による振動の抑制について解析し,雑音の種類により振動抑制の特性の差違を詳細に得ることができた。後者においては細胞間結合の可塑性をSTDP (Spike-Time-Dependent Plasticity) 仮説とともに出力の恒常性維持のための可塑性を導入し,聴覚系の簡単化したトノトピーを導入したモデルで振動抑制に一定の成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.多層パーセプトロンの学習による推定をリアルタイムで行うための性能向上を実現するため,システムのソフトウェアにおいてさらに高速化を図るとともに,脳波計測におけるニューラルネットワークや独立成分分析の手法を用いて眼球運動・峻目などのアーティファクト除去性能を改善した。 2.周期的聴覚刺激(クリック音)を被験者に与えて学習させ,その想起を行わせる実験における加算平均のための同期方法として光刺激を用い,想起における脳信号源を,ニューラルネットワークを用いて推定した。さらに,刺激が存在する場合と存在しない場合について,被験者に回答させ,正誤それぞれの脳波の特徴を比較する実験や,周期的タッピングに対する非同期刺激の影響の解析を行って,成果を得た。 3.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するために前年度までに改良したできるだけ簡素な数理モデル(神経振動子を用いたモデルと,神経細胞モデルにHodgkin-Huxleyモデルを縮約したものを用いたモデル)の解析を行った。前者においては,雑音入力による振動の抑制について解析し,雑音の種類により振動抑制の特性に差違があることを明らかにした。後者においては細胞間の結合の可塑性についてSTDP (Spike-Time-Dependent Plasticity) 仮説とともに出力の恒常性維持のための可塑性を導入しし,聴覚系の簡単化したトノトピーを導入したモデルで振動抑制に一定の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
1.脳活動推定システムの性能を向上させるため,経験的モード分解の手法を導入する。 2.周期的聴覚刺激(クリック音)を被験者に与えて学習させ,その想起を行わせる実験や,周期的タッピングに対する非同期刺激の影響の実験を更に種々の条件で行い,脳波の特徴を比較する。 3.脳活動システムの可塑性に着目した脳波の解析及び数理モデルの構築をさらに発展させ,耳鳴りとその治療過程の数理モデルを,聴覚系のトノトピー構造を本格的に組み込んだ階層的神経回路モデルに拡張して,耳鳴りとその音響療法の動物実験結果に対応する活動を再現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた性能のパーソナルコンピュータ購入において,価格低下のため計上した金額よりも約13万円少額で購入できたこと,及び一部の学術雑誌論文について掲載料を計上していたが,実際には支払う必要がなかったことから,約23万円を次年度に使用することにした。次年度は,消耗品として脳波測定用電極に80,000円,プリンタ用品に20,000円,国内で開催される学会での研究成果発表・資料収集のための旅費に100,000円,海外で開催される国際会議での研究成果発表・資料収集のための旅費に700,000円,海外(アメリカ合衆国)の研究協力者との研究打合せのための旅費に331,868円,学術雑誌論文掲載料に100,000円を使用する。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Recall of auditory stimulus2012
Author(s)
Makoto Shigeta
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Journal Title
Proceedings of IEEE-EMBS International Conference on Biomedical and Health Informatics, Hong Kong and Shenzhen, China, January 2-7, 2012
Volume: 1
Pages: 420-423
Peer Reviewed
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