2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560498
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長篠 博文 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40035655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芥川 正武 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (90294727)
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Keywords | 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 / システム工学 / 脳波 / 聴覚 / 耳鳴り / 数理モデル / 可塑性 |
Research Abstract |
本研究は,脳活動システムの状態推定や脳活動状態の変化の数理モデルによる表現を目指して,脳波計測システム及び脳活動システムの可塑的数理モデルの構築を目的としている。具体的には,聴覚系における周期的刺激の想起や,耳鳴り音響療法治療過程,さらに二つの周期の協調タッピングの学習を対象として研究を進め,次の成果を得た。 1.周期的聴覚刺激(クリック音)の学習とその想起に関する脳波の解析を行い,一定の識別特性を得た。 2.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するため,前年度までの数理モデルを拡張して,聴覚系におけるトノトピー構造を簡略的に組み込んだモデルを構築した。神経細胞のモデルとしては,Integrate-and-Fire ニューロンモデルを用いた。耳鳴り音響療法における2つの主要な治療法であるマスカー療法とTRT (Tinnitus Retaraining Therapy) のそれぞれに対応する概念的なコンピュータ・シミュレーションを行い,良好な結果を得た。今後モデルを更に発展させることにより,治療過程の再現が可能であることが示唆された。 3.脳活動推定システムの性能を向上させるため,経験的モード分解を用いたHilbert Huang変換の手法を開発して,二つの周期の協調タッピングにおける脳部位間同期度を評価した。 4.二つの周期の協調タッピングの学習に関する数理モデルを多層パーセプトロンニューラルネットワークを用いて構築し,実験結果をある程度再現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.周期的聴覚刺激(クリック音)の学習とその想起に関する脳波の解析を行い,一定の識別特性を得た。 2.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するため,前年度までの数理モデルを拡張して,聴覚系におけるトノトピー構造を簡略的に組み込んだモデルを構築した。神経細胞のモデルとしては,Integrate-and-Fire ニューロンモデルを用いた。耳鳴り音響療法における2つの主要な治療法であるマスカー療法とTRT (Tinnitus Retaraining Therapy) のそれぞれに対応する概念的なコンピュータ・シミュレーションを行い,良好な結果を得た。今後モデルを更に発展させることにより,治療過程の再現が可能であることが示唆された。 3.脳活動推定システムの性能を向上させるため,経験的モード分解を用いたHilbert Huang変換の手法を開発して,二つの周期の協調タッピングにおける脳部位間同期度を評価した。 4.二つの周期の協調タッピングの学習に関する数理モデルを多層パーセプトロンニューラルネットワークを用いて構築し,実験結果をある程度再現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.経験的モード分解を用いて脳活動を推定するシステムを発展させ,具体的にはさまざまな条件下でのアルファ波発生を解析対象として研究を進める。 2.周期的タッピングの学習に関する数理モデルとして,昨年度とは異なる観点から,Integrate-and-Fire ニューロンモデルを用いた数理モデルを構築する。 3.耳鳴り音響療法治療過程における脳聴覚系神経活動変化を再現するため,前年度までの数理モデルを発展させて,聴覚系における更に詳細なトノトピー構造と階層構造組み込むとともに,神経細胞間の結合荷重をすべて可塑的に変化させるモデルを構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アメリカ合衆国に居住する研究協力者との協議を平成26年3月に行う必要が生じた。この海外出張旅費を平成25年度の交付額から支出することにしたが,この支出が実際には平成26年度になったため生じたのが次年度使用額の大部分(301,040円)である。このため,残額(20,601円)では必要な物品の購入が不可能になったため,平成26年度の交付額と合わせて平成26年度に購入することとした。 次年度使用額は,平成26年3月に行った,アメリカ合衆国に居住する研究協力者との協議のための出張旅費,およびディスプレイ装置の代金の一部として使用する。
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Research Products
(13 results)