2013 Fiscal Year Research-status Report
三次元複合線形におけるシールド機の理論的制御手法の開発
Project/Area Number |
24560563
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50196755)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 浩史 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (90272864)
玉井 達毅 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (30633911)
|
Keywords | 大深度地 / 地盤工学 / 機械力学・制御 / シミュレーション工学 / シールド工法 |
Research Abstract |
都市部におけるライフライン整備には,地表面を占有することなく地下構造物を地中に直接構築できるシールド工法が標準工法として採用されてきている.シールド工法は,シールド機の先端を回転させて地盤を掘削するとともに,シールド機内でプレキャスト部材であるセグメントを組立て,トンネルを構築する工法である.トンネル覆工であるセグメントはシールド機内後部で組み立てられることから,シールドトンネルを計画線形に沿って構築するためには,シールド機の位置と向きを適切に制御する必要がある.しかし,これまでのシールド機制御方法は,制御を二次元平面内に限定していること,シールド機の力学的釣り合い条件を考慮していないことから,三次元複合線形でシールド機を理論的に制御することはできなかった.そこで,本研究では,三次元複合線形でのシールド機の理論的制御手法を開発することを目的として,本年度は,特殊条件での3Dシールド機制御条件計算法と力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法に関する以下の研究を行った. 1.特殊条件での3Dシールド機制御条件計算法の開発:シールド機後胴の軸方向を直接入力した場合にも,三次元複合線形を取り扱える制御項目(コピーカッター使用条件・中折れ角度)の計算法を開発した. 2.力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法の開発:昨年度開発した3次元空間でのシールド機制御条件の計算法を用いて,コピーカッター使用条件と中折れ角度の初期値を想定するとともに,これまで開発してきたシールド機の力学的釣り合い条件を考慮できる,シールド機動力学モデルを基に,シールド機制御方法を開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,シールド機の制御方法として「1)シールド機後胴のセグメント設置位置=トンネル計画線形上,2)シールド機後胴の軸方向=トンネル計画線形接線方向」を想定していたが,2)が成立しない場合もあることがわかり,シールド機後胴の軸方向を直接入力することもできるようにした.このため,当初の研究計画に対して,やや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
三次元複合線形でのシールド機の理論的制御手法を開発することを目的として,本年度の研究に引き続き,次年度は,力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法を検証するため,以下の研究を行う. 1.入力物性値の設定:実際の地盤条件を考慮に入れて,数値実験に用いる入力物性値を設定する. 2.パラメータスタディの実施・評価:パラメータスタディを実施し,同手法の妥当性を検討し,力学的釣合い条件を考慮したシールド機制御手法を検証する. 3.数値実験の実施とその評価:これまでに蓄積してきた現場データに,本研究で開発するシールド機制御手法を適用して得られた結果と現場実績値を比較することにより,その合理性を検証し,三次元複合線形におけるシールド機の理論的制御手法を確立する.
|