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2013 Fiscal Year Research-status Report

実験及び数値流体解析に基づく竜巻状旋回上昇流の制御方法に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24560583
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

野田 稔  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (30283972)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長尾 文明  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40172506)
Keywords竜巻状流れ / マルチベーン / マルチファン / 竜巻シミュレータ / LES / 風災害 / 飛散物
Research Abstract

本研究課題は,深刻な被害をもたらす竜巻への対策が急がれていることを鑑みて,開発に取り組んできた収束層への流入角および流入速度に分布を与えられるマルチファン・マルチベーン式竜巻シミュレータと数値流体解析を使って,1.非対称な流入境界条件において発生する竜巻状旋回上昇流の流れ場の変化を系統的に調べ,竜巻状旋回上昇流の特性を流入境界条件によって制御する技術を確立するとともに竜巻状旋回上昇流の流れ場に対する流入境界条件の影響を明らかにすること,2.実験的・数値流体的に求められた竜巻状旋回上昇流内での流速分布を元に,竜巻内の飛散物の挙動を明らかにすること,3.竜巻の発生の有無を左右するような流入境界条件とそれを左右する地形因子を抽出することを研究目的としている。本年度に得られた成果を以下に示す。
昨年度の検討において明らかとなった、竜巻状旋回上昇流の発生場所の移動方向が、収束層外周における対面同士の流量の差に支配されているとの事実に基づいて、収束層外周における対面同士の流量差をパラメータとした制御則を竜巻風洞の制御プログラムに組み込み、任意の場所に渦を移動させることを可能とした。
また、LESによって求められた対称場の流速分布を用いて竜巻状旋回上昇流中を飛行する平板状飛散物における力の釣り合いを検討した結果、竜巻状旋回上昇流中を飛行する平板状飛散物の飛行軌道は立川数の影響を大きく受け、特に竜巻状旋回上昇流の中心付近で巻き上げられた飛散物が落下してくる際には、立川数、フルード数、スワール数によって決定される半径に軌道が収束することを説明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述の研究目的に対して、今年度に実施を予定していたテーマは、1.流入境界条件が竜巻状旋回上昇流の特性に及ぼす影響を検討すること、2.竜巻状旋回上昇流中の飛散物の飛行特性を検討すること、3.飛行時の姿勢に対する飛散物の重心位置の影響の検討、の3つである。
1.のテーマについては、昨年度の結論を竜巻シミュレータの制御側に組み込むことで、任意の場所に竜巻状旋回上昇流を発生させることが可能となったほか、別途導入された3D-PIVによって生成された竜巻状旋回上昇流の3成分の流速分布を計測することに成功し、その結果として、設定するスワール比に応じて、1セル型と2セル型の2種類の流れ場が生じていることが確認でき、ほぼ1.の目標を達成することができた。
2.のテーマについては、LESによって生成された流速分布と用いて、竜巻状旋回上昇流中を飛行する平板状飛散物に作用する重力、遠心力、空気力の力の釣り合い状態を検討した結果、水平方向には中心から外へ向かおうとする発散領域と中心に向かおうとする収束領域、鉛直方向には上昇領域と下降領域が立川数によって決定される境界線によって分かれることが明らかとなり、2.のテーマについても概ね目標は達成された。
また、3.のテーマについても、重心位置が移動することで飛散物の回転が抑制され、空気力と重力のモーメントが釣り合うような姿勢角を中心に振動するような飛行挙動が確認され、3.のテーマについても目標は達成された。
以上のように、当初の計画に従って、各テーマは成果が上がっており、ほぼ計画通りに研究が進んでいると判断した。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に取り組む研究テーマは、これまでの検討から飛散物の飛散性状から竜巻状旋回上昇流の特性を読み取れる可能性が見えてきたため、1.飛散物が形成するデブリボールの形と竜巻状旋回上昇流の特性パラメータとの関係を明らかにすること、2.LESで生成された流れ場を用いて漏斗雲の再現を試み、竜巻状旋回上昇流の特性と漏斗雲の見え方について検討すること、を主なテーマとして取り組み、竜巻の強さを推定するための方法について検討していく。

  • Research Products

    (6 results)

All 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 竜巻状流れ場における飛散物の挙動2013

    • Author(s)
      野田 稔, 政井一仁, 二宮めぐみ, 長尾文明
    • Journal Title

      日本風工学会論文集

      Volume: 38 Pages: 63-73

    • DOI

      10.5359/jwe.38.63

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 竜巻によるアスファルト被害からの風速推定2013

    • Author(s)
      野田 稔, 長尾文明
    • Journal Title

      日本風工学会論文集

      Volume: 38 Pages: 101-108

    • DOI

      10.5359/jwe.38.101

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Wind Speed of Tornado to Make a Road Damage2013

    • Author(s)
      野田 稔, 長尾文明
    • Journal Title

      Journal of Disaster Research

      Volume: 8 Pages: 1090-1095

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] トルネードシミュレータにおける渦生成位置への流入境界の影響2013

    • Author(s)
      野田 稔, 二宮めぐみ, 長尾文明
    • Organizer
      日本流体力学会年会2013
    • Place of Presentation
      東京農工大学小金井キャンパス(東京都)
    • Year and Date
      20130912-20130914
  • [Presentation] 竜巻によるアスファルト剥離被害に関する考察2013

    • Author(s)
      野田 稔, 長尾文明
    • Organizer
      土木学会第68回年次学術講演会
    • Place of Presentation
      日本大学津田沼キャンパス(千葉県)
    • Year and Date
      20130904-20130906
  • [Presentation] Estimation of wind speed from road damage by a tornado2013

    • Author(s)
      野田 稔, 政井一仁, 二宮めぐみ, 長尾文明
    • Organizer
      12th Americas Conference on Wind Engineering
    • Place of Presentation
      Westin Seattle Hotel(シアトル, 米国)
    • Year and Date
      20130616-20130620

URL: 

Published: 2015-05-28  

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