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2012 Fiscal Year Research-status Report

分布型流出モデルを基礎とした洪水・斜面崩壊リスク総合評価手法の構築

Research Project

Project/Area Number 24560624
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

田村 隆雄  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (40280466)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords斜面崩壊 / 分布型流出モデル / 洪水 / 地中水量 / 深層崩壊 / 表層崩壊
Research Abstract

平成24年度は研究手法のベースとなる雨量・水位データを用いた流出解析法の検証とモデルで推定される地下水量の検証を行うための基礎的な作業(観測井戸の設置,斜面崩壊が発生した場所の水文データの収集)を行った.
まず流出解析法についであるが,斜面崩壊が発生した斜面を対象として解析を行う場合,近隣に流量観測所がないことが多く,従来型の流出解析手法を適用することは困難である.しかし河川水位については比較的多数の観測所があるため,流量の代わりに水位情報を用いて流出解析が行うことができれば,適用できる斜面が格段に多くなる.そこで,雨量・水位データを用いた流出解析手法を四国内の6箇所の水位・流量観測所に適用して水位-流量関係の再現性を検証した.その結果,雨量観測所の数・密度,水位観測所が設置されている河道横断面形状が良好であれば,精度の高い解析が可能であることを確認できた.
次に,モデルで推定される地中水量の検証を行うために,森林斜面中の表層土壌水位と地下水位の経時変化を観測できる観測井戸を計画し,那賀川上流域の支川古屋谷川流域にある「六丁の森」(徳島県林業公社が管理)への設置工事を晩秋から開始した.ただこの冬は例年と比べて非常に寒く,積雪の影響もあって工事が遅れた.平成25年4月末頃には完成,出水期から水位観測を開始できる予定である.
最後に,斜面崩壊が発生した森林斜面のデータ収集であるが,平成23年9月に紀伊半島
に大きな洪水・斜面崩壊災害をもたらした台風12号を対象に行うことを決定し,熊野川流域を中心に解析対象斜面の選定を行った.その結果,斜面崩壊が発生し,流出解析に必要な雨量データ,河川水位データの入手が容易な相野谷川流域を対象に行うことを決定した.
平成25年度は観測井戸や相野谷川で得た水文データを,流出モデルに適用して斜面中の土壌水量の再現と検証を行う予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究のベースとなる解析法の検証が終わり,流量再現について十分な精度で森林斜面中の地中水量の推定が可能であることを確認することができたことが最も大きい.次に斜面崩壊が発生した流域の選定と水文データの収集もできた.ただ地中水量を観測するための井戸設置工事が岩盤強固のために遅れているが,これも平成25年5月末頃には完了する予定であり,6月からの出水期における観測には支障がないと思われる.以上の理由から本研究は概ね順調に進展していると判断する.

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通りに進める.平成25年度はまず,斜面崩壊が発生した相野谷川流域に分布型流出モデルを適用して,斜面中の地中水量を推定し,斜面崩壊が発生した森林斜面での推定地中水量が,那賀川上流域での解析結果と同じような傾向にあるかどうかを確認する.具体的には斜面崩壊箇所の地中水量が高い傾向にあるかということと,深層崩壊が発生している場合には地下水量が卓越していること,表層崩壊が発生している場合には表層土壌水量が卓越していることを確認する.
次に分布型流出モデルのモデルパラメータの設定方法について,再現精度が高く,かつ計算効率の良い方法について検討を行う.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

繰越金が発生している理由は,平成24年度内に工事完了する予定であった地下水位観測井戸が悪天候と岩盤強固などの理由のため未完となっている事である.したがって繰越金の使用用途は観測井戸工事一式であり,申請時の予定から変更はない.

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 雨量・水位データと流出モデルを用いた水位流量曲線作成法の実用性2013

    • Author(s)
      田村隆雄
    • Journal Title

      水工学論文集

      Volume: 57 Pages: 517-522

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 雨量・水位データと流出モデルを用いた水位流量曲線作成法の実用性2013

    • Author(s)
      田村隆雄
    • Organizer
      水工学講演会
    • Place of Presentation
      名城大学(愛知県)
    • Year and Date
      20130305-20130307

URL: 

Published: 2014-07-24  

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