2014 Fiscal Year Annual Research Report
情報通信技術の進展が交通行動及びプロジェクト評価に与える影響
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24560636
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 浩徳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70272359)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 交通時間価値 / ノンパラメトリックアプローチ / 分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,我が国におけるデータを用いて,交通時間価値の分布をノンパラメトリックアプローチにより分析した.分析に先立って,既存の研究をレビューし,Local Linear Regressionによる推定方法を採用することとした.データとしては,平成22年に実施された調査において,仮想の交通料金と交通時間が与えられたとき,回答者が高速道経路と一般道経路のどちらを選択するかという二者択一の経路選択データ(SP調査データ)を用いた. 分析結果より,交通時間価値がゼロの割合が,限りなくゼロに近いことが判明した.これは,スウェーデンの研究とは異なる傾向である.一部の研究において,交通時間価値は0(Richardson,2003)あるいは負の価値(Redmond and Mokhtarian,2001)を持ちうることが指摘されている.Mackie et al.(2001)が指摘する「ブリーフケーストラベラー」(車内で情報通信機器を活用した生産的活動を行うビジネスマン)の影響も考えられることからさらなる原因究明が必要である. また,交通時間価値の確率密度分布は単峰型とはならないことがわかった.この点は,既往研究の分析結果からは得られておらず,今回のデータに固有の特性である可能性がある.このように確率密度分布が単純な形とならないことは,交通時間節約価値の分布をノンパラメトリックに推定することの必要性を示唆していると言える.
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Research Products
(2 results)