2014 Fiscal Year Research-status Report
シェアハウス制度の国際比較による日本のストック型社会システムモデルの構築
Project/Area Number |
24560735
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丁 志映 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90463835)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シェアハウス / 異世代居住 / 国際比較 / 建築制度 / スペイン / 日本 / 韓国 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存の建物を単身者向けのシェアハウスとして利活用している、フランス、ベルギー、韓国における国際比較を通して、今後日本における「ストック型社会システム」の重要な構成要素としてシェアハウスを解明する。このため、各国別による法制度と契約形態(普通借家契約と定期借家契約、個別契約と連名契約、サブリース等)、募集方法(Webサイトと不動産屋等)、運営主体(専門業者と家主、NPO、法人等)、シェア居住タイプ(ホームシェア、ハウスシェア、ルームシェア、ゲストハウス等)、建築確認申請方法(住宅と寄宿舎等)、近隣と居住者間交流程度、改修方法(専門業者とDIY、耐震等)などについて明らかにする。これらの制度や条件を用いて空き住宅へのシミュレーションを実施して、最終的には単身者向けの「ストック型社会システムのモデル」を構築することである。 そのため、研究最終年度である、本年度はスペインを中心に調査実施を行い、スペインの調査分析及び研究成果のとりまとめを行う予定であった。しかし、調査予定時期の10月に調査対象地であったスペインのマドリードにおいてエボラ出血熱ウイルスに感染した患者が確認されて、再度調査協力者と日程調整などを行った結果、スペイン調査の実施を平成27年10月に延期されることになった。また、調査予定だった韓国及びドイツにおいてはシェアハウスの運営者へのインタビュー調査、日本においては運営者及び居住者への本調査を行った。 1.韓国・ドイツ調査:法制度と契約形態、募集方法、運営主体・内容等が明らかになった。 2.日本調査:日本におけるシェア居住(住居型ゲストハウス、ルームシェア、コレクティブハウス、コーポラティブハウス)の実態調査を行い、法制度と契約形態、募集方法、運営主体、シェア居住タイプ、建築確認申請方法、近隣と居住者間交流程度、改修方法等が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画であったスペイン調査が研究実績の概要に述べたように、調査対象地の社会状況の変化により、調査ができなかった。しかし、韓国・ドイツ・日本の調査を実施し、関連政策と法制度、契約形態と募集方法、運営主体と支援団体について解明できるという大きな成果を得た。また、その成果を踏まえて、学術学会の大会での研究成果発表及び講演等を行った。さらに、論文(査読付き)2編が学術論文集に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、延期されたスペイン調査を実施する。これらの調査研究結果(各国の制度や成立要件等)を用いて空き住宅へのシミュレーションを実施する。また、最終的に日本における単身者向けの「ストック型社会システムモデル」を構築する。
1.スペインにおける調査の実施:世界で最初に異世代シェアハウス制度を実施したNPO団体と支援団体が実現した5~7プロジェクト(マドリード、バルセロナ等)を選定し、募集方法や契約形態、入居までのプロセス等、フランスとベルギー調査と同項目を調査する。特に当初の異世代シェアハウス制度から新たなタイプのシェアハウス制度へと展開していることから、住宅制度の過去から現在までの変遷について調査する。 2.各国の制度や成立条件等を用いた空き住宅へのシミュレーション実施とモデル構築
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Causes of Carryover |
平成26年度10月までに、スペインの調査実施を行い、平成27年3月までに、スペイン調査の分析及び研究成果のとりまとめを行う予定であった。しかし、調査予定時期の10月に調査対象地であったスペインのマドリードにおいてエボラ出血熱ウイルスに感染した患者が確認されて、調査を変更することとしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、再度研究協力者と日程調整などを行った結果、スペイン調査の実施を平成27年10月に行うこととし、未使用額はその経費に充てる計画である。
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