2015 Fiscal Year Annual Research Report
シェアハウス制度の国際比較による日本のストック型社会システムモデルの構築
Project/Area Number |
24560735
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丁 志映 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90463835)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シェアハウス / 異世代居住 / 国際比較 / フランス / ベルギー / スペイン / 韓国 / ホームシェア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、既存の建物を単身者向けのシェアハウスとして利活用している、フランス、ベルギー、韓国における国際比較を通して、今後日本における「ストック型社会システム」の重要な構成要素としてシェアハウスを解明する。このため、各国別による法制度と契約形態(普通借家契約と定期借家契約、個別契約と連名契約、サブリース等)、募集方法、運営主体(専門業者と家主、NPO、法人等)、シェア居住タイプ(ホームシェア、ルームシェア、ゲストハウス等)、建築確認申請方法(住宅と寄宿舎等)、近隣と居住者間交流程度、改修方法(専門業者とDIY、耐震等)等について明らかにする。これらの制度や条件を用いて空き住宅へのシミュレーションを実施して、最終的には単身者向けの「ストック型社会システムのモデル」を構築することである。 そのため研究最終年度は、スペインの調査を行い、これまでの国外の調査結果と既往研究成果、日本の実態との比較により最終的に単身者向け「ストック型社会システムのモデル」の構築を行った。 1. スペイン調査:2015年10月26日~11月5日、スペインのシェア居住関連の11団体(NPO、大学、協会、財団、自治体等)及び実践事例の調査を行った。他国と比べて、運営主体、運営体制、法制度と契約形態、募集方法等に大きな違いがあることが明らかになった。 2. ストック型社会システムのモデルづくり:フランスの〔オーナーシップ・サブレット型異世代ホームシェア〕、スペインの〔連帯アパート・多主体支援型異世代ホームシェア〕、ベルギーの〔カンガルー住居〕ようなシェアハウス制度と仕組みは、現在日本が抱えている高齢者の孤独死、若年単身者の住宅問題、空き家・空き部屋問題、地域コミュニティの崩壊等の一つの解決策として有効であり、特に高齢者と若者が【共助】の関係を作り出す異世代ホームシェアの必要性は高まると考えられる。
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