2014 Fiscal Year Research-status Report
中世日本と東アジアの木造建築における架構システムに関する比較研究
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24560797
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
鈴木 智大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (60534691)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 繋貫 / 穿挿枋 / 木造建築 / 五代 / 宋 / 遼 / 国際研究者交流 中国 / 国際研究者交流 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、木造建築の架構システムに着目し、日本・中国・韓国の比較をおこなうことで、東アジアにおける木造建築の技術およびその設計論理を解明する試みである。 4カ年計画の3年目となる2014年度は、前年度に引き続き、天津大学建築歴史與理論研究所の丁副所長とともに、中国北京市・天津市・河北省・山西省において、現存遺構の現地調査をおこない、中国における建築の設計方法および植生などについて意見交換をおこなった。 これに加えて、新たに韓国の現地調査を開始し、明知大学校の韓志晩助教授とともに、韓国慶州市において、建築遺構および発掘遺構の現地調査をおこない、韓国における建築様式について意見交換をおこなった。 また前年度に引き続き当該期の中国における建築の変革と日本の比較をおこない、「法隆寺慶長修理の繋貫と中国建築の穿挿枋」としてまとめ、平成27年度日本建築学会学術講演会に投稿した。 中国の元代以降に出現したとされる「穿挿枋」と、日本の法隆寺金堂・夢殿・大講堂の慶長年間における修理にみられる「繋貫」の共通点および相違点を指摘した。日中両国における木造建築の架構システムの変化の一側面を提示したものといえる。また古代建築に加えられた各時代の修理を積極的に評価するという点においても、新たな研究手法を提示することができた。 さらに、日本・フランスの国際学術シンポジウムに出席し、中世日本の禅宗寺院における変革に関する論考を発表し、海外発信をおこなった。加えて、中世日本の木造建築の変革について、一般向けの小論を発表し、社会的な還元をはかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に従い、2度の海外調査(中国北京市・天津市・河北省・山西省および韓国慶州市)を実施するとともに、日本建築学会大会学術講演として成果の公表をおこなうことができた。 さらに、日本・フランスの国際学術シンポジウムにおける発表で海外発信をおこなうとともに、一般向けの小論で社会への還元をはかることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蓄積してきた木造建築の図面を整理し、現地調査の成果を反映させたうえで、成果の公表を図りたい。
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Causes of Carryover |
2014年度は研究を進める上で、必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度研究費とあわせ、書籍購入費に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 禅宗建築の形式と意味2014
Author(s)
鈴木智大
Organizer
中世のける<建築>ヨーロッパと日本
Place of Presentation
アンスティチュ・フランセ関西-京都
Year and Date
2014-11-15 – 2014-11-16
Invited
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