2013 Fiscal Year Research-status Report
新規反応性高分子を用いたカーボン表面改質を基盤とする複合機能化に関する研究
Project/Area Number |
24560834
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高橋 辰宏 山形大学, 理工学研究科, 教授 (60344818)
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Keywords | 反応性高分子 / カーボンナノチューブ / カーボンファイバー / 複合体 / 表面改質 |
Research Abstract |
本研究は、様々な官能基と付加反応するオキサゾリン基に着目し、独自に新規反応性高分子であるポリビニルオキサゾリンを合成し、ポリプロピレンをマトリックスとする炭素複合体の海面設計技術を確立することを目的にしている。ポリビニルオキサゾリン改質による炭素材料の複合機能化に関する定量的な研究を行うことを目的にしている。 本年度は、官能基を定量分析した炭素繊維にポリビニルオキサゾリンを反応修飾させ、炭素繊維表面の官能基数、ポリビニルオキサゾリンの官能基数、炭素繊維表面の官能基と反応したオキサゾリンの官能基数、未反応のキサゾリンの官能基数について定量的検討をした。 ポリビニルオキサゾリンを修飾した炭素繊維、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリプロピレンとともに溶融混合させ、その後、ホットプレス機を用いて、円盤状のサンプルを作成した。ここで無水マレイン酸変性ポリプロピレン添加量を、いろいろな濃度で変化させて、マトリックス中の無水マレイン酸変性を変化させた。 作製した円盤状サンプルの破断面をSEM観察で評価した。ここで、界面接着性に関して定量的な評価をするために、破断面から抜け出している炭素繊維の本数を、200本程度を観察し、そのうち炭素繊維にマトリックス樹脂がまとわりついている本数を数える、付着割合を評価することで定量的な界面接着性を評価する手法を提案し確立した。 界面接着性に関する上記定量的な評価で、無水マレイン酸がない場合は、樹脂の付着割合はゼロであったが、無水マレイン酸の量が多くなるとともに、樹脂の付着割合が高くなることが定量的に実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度の研究実施計画の内容として、炭素繊維を用いて反応性高分子の表面反応について明らかにした。また、破断面に関する密着度合について定量的に評価する手法を確立し、ポリプロピレンマトリックスで高い接着性を有する界面設計ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新しい界面の評価方法として、炭素繊維表面の高分子が化学的に結合している量を明らかにする。これと、SEMの破断面の界面の付着接着度合、力学的な強度、界面材料設計、この4つの相関関係を定量的に検討し明らかにしていく。また、ポリビニルオキサゾリンの分子量分布を精密に制御した高分子なども合成し、精密な界面修飾を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に圧縮成型特殊金型の購入し使用する予定であったが、CFRPの接着に関してい短繊維で溶融混合し成形品の破断面を評価する方法が確立するこで研究を進めることにした。 研究はほぼ計画どうり順調に進展している。H26年度については、ポリビニルオキサゾリンの精密重合、界面に関する新しい評価など、研究消耗品の他、研究を加速させるため人件費にも使用して研究を加速させる予定である。
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