2014 Fiscal Year Annual Research Report
急速通電加熱を利用した金型の局所焼入れ法の実現に向けた開発研究
Project/Area Number |
24560877
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
牧 清二郎 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20124315)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱処理 / 焼入れ / 局所焼入れ / 通電加熱 / 金型 / ダイス鋼 |
Outline of Annual Research Achievements |
定電流制御機能を持たない交流電源を通電加熱の電源に用いる場合、処理箇所の移動によって生じる電気的負荷の変化により安定した加熱の実現が困難になる。この対策として考案した電流の2乗の時間積分値による入熱量制御方法の有用性についての前年度の成果を、アラブ首長国連邦ドバイにて開催された第17回材料と加工技術の進歩に関する国際会議AMPT2014において発表した。また、これまでの面への適用に加え、新たにエッジ部への本焼入れ法の適用を試みた。その結果、単発処理においては、面への適用と同様に有効であることを確認した。エッジ焼入れにおける半割円柱電極を用いた電極が接触しない面での通電加熱の状態は、その面からの放熱が無視できるとすれば、円柱電極を用いた面への適用における中心軸を含む縦断面での通電加熱状態と同等になる。そこで、この点に注目して、エッジ焼入れでの通電加熱の様子を赤外線カメラによって捉える一方、電極接触部近傍の通電加熱状態を数値シミュレーションし、両者の対比により、実験における焼入れ硬化領域の発達の様子を理解した.得られた知見は、第10回生産加工・工作機械部門講演会および日本機械学会東海支部第64期総会講演会において発表した。当初の計画では、単発焼入れ処理の繰返しにより線状および面状の焼入れ硬化が可能ではないかと予想していたが、実験において、後発処理での通電加熱により先発処理での焼入れ硬化域の一部が高温焼戻しを受ける状態になり、硬さが2割ほど低下する現象が見られ、本方法によって一様な焼入れ硬化を確保するには連続通電による加熱が不可欠であることが判明した。そのため、本研究の最終年度でもある本年度は、これまでの研究成果を報告書にまとめる一方、移動電極による連続通電加熱での焼入れ特性について実験を行った。研究は現在も継続している。
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