2013 Fiscal Year Research-status Report
超塑性ダイレス引抜きによる燃料電池用セラミックスマイクロチューブの創製法の開発
Project/Area Number |
24560888
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古島 剛 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30444938)
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Keywords | ダイレス引抜き / セラミックス / 超塑性 / 燃料電池 |
Research Abstract |
本研究の目的は超小型固体酸化物型燃料電池(SOFC)に用いられるセラミックスチューブを超塑性ダイレス引抜きによって創製することである.本年度行った内容が主に下記の2点である. (1)超塑性ダイレス引抜き実験装置の改良 前年度に整備した局所加熱を実現可能なレーザと周方向の均熱化を図るために回転ステージを導入した超塑性ダイレス引抜き実験装置を用いてダイレス引抜き実験を行ったところ,レーザによる加熱が局所的すぎることが判明し,引抜き変形を付与したときに早期破断することがわかった.そのため適切な加熱幅を得るためにLPGガスと酸素を用いたバーナーによる加熱手法を選択し,既存実験装置の改良を行った.また加熱幅を調整するためにチラーを使った水冷装置を導入した.新たに改良した超塑性ダイレス引抜き装置に対し,二色式放射温度計とサーモグラフィを用いた温度計測により,ジルコニアの超塑性を発現させるのに十分な温度である1500℃かつ適切な加熱幅を実現することがわかった. (2)超塑性ダイレス引抜き実験 前項で改良したバーナー加熱による超塑性ダイレス引抜き実験装置を用いて,ジルコニアセラミックスとして3Y-TZP丸棒(直径6mm),3Y-TZPチューブ(外径6mm,内径4mm),4Y-TZP丸棒(直径6mm)を用いて超塑性ダイレス引抜き実験を行った.その結果,4Y-TZP丸棒では,1500℃の高温でも塑性変形せず破断することがわかった.一方,3Y-TZP丸棒と3Y-TZPチューブについては1500℃の温度域で,塑性変形することがわかり,狭い範囲であるが 引抜き加工が可能である可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたレーザ加熱によるダイレス引抜き実験が,レーザによる局所的すぎる加熱により被加工材であるセラミックスの早期破断を促していまった.しかしながら,加熱源としてLPGガスと酸素によるバーナー加熱に変えることで,予定通り1500℃の高温を実現し,かつ3Y-TZP丸棒(直径6mm),3Y-TZPチューブ(外径6mm,内径4mm)にて塑性変形を確認し,引抜き加工が可能であることを示した.また4Y-TZP丸棒(直径6mm)では3Y-TZPと同様の条件で塑性変形が生じないことがわかった.FEMによる詳細な検討までは至っていないが,材料特性が変形挙動に及ぼす影響も調査できており,当初の予定より,やや遅れているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度改良した超塑性ダイレス引抜き実験装置を用いて,ジルコニアセラミックスとして3Y-TZP丸棒(直径6mm),3Y-TZPチューブ(外径6mm,内径4mm),4Y-TZP丸棒(直径6mm)を用いて引き続き,超塑性ダイレス引抜き実験を行い,より一様な引抜き加工の実現を目指す.また一回の加工では,当初の目的であるマイクロチューブの作製は困難である考えられるので,多段階の引抜きを行うことで,マイクロチューブの創製を試みる.また創製したセラミックスチューブの評価として表面粗さや組織観察,形状についての評価を行う予定である.
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