2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560920
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
仁志 和彦 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (20262412)
|
Keywords | ミキシング / 流脈面 / 非対称撹拌 |
Research Abstract |
平成25年度は、層流から遷移状態、乱流撹拌槽に至る撹拌場を対象に、流脈面構造に関する検討を行った。 層流撹拌場に関しては、主に平成24年度に実施したの蛍光染料を翼先端から同伴添加する可視化手法により観測する実験的計測に基づき、数値流動解析を用いることで流脈面構造を数値として定量的に得る手法を構築した。数値流動解析を用いることで、実験的には詳細な検討が困難となる翼旋回半系内に領域内に戻った後の流脈面について詳細な検討が可能となり、流脈面面積、流脈面伸展体積、流脈面間距離等の経時変化に及ぼす翼回転数、液粘度の影響が撹拌レイノルズ数の関数として整理できることを明らかにした。また、撹拌液体積を変えた実験、解析に基づき、層流撹拌場における混合現象が、従来の動力による相関だけでは十分解明できず、翼がつくるフローパターンを定量的に表現する流脈面構造との関係で整理されるべきであることを明らかにした。 遷移状態および乱流状態の流脈面構造については、主に高速ビデオカメラを用いた実験的計測を行うとともに、k-ε乱流モデルによる時間平均流による流脈面構造とラージエディシミュレーション(LES)による流脈面構造、さらには乱流モデルを用いない解析を比較検討することで、乱流渦(変動)がおよぼす影響について検討した。その結果、遷移状態の混合内おいては、難混合領域の形成において流脈面構造を解析因子として用いることが重要であるとの見通しを得た。また、乱流状態においては、流脈面構造以上に撹拌所要動力で整理される乱流渦、さらにはそれに基づく乱流拡散が混合現象を支配していることを確認した。 上記の検討は、撹拌条件を変えた中心撹拌と、偏心撹拌、非対称邪魔板条件等の非対称撹拌場について実施し、撹拌場の非対称性が流脈面構造に及ぼす影響の観点からも検討された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度までに目標としていた、層流から乱流に至る中心撹拌(対称撹拌場)および非対称撹拌について実験的計測をほぼ完了した。また、中心撹拌については数値流動解析を用いた詳細検討の手法を高知記した。 これらのことから研究計画に基づきおおむね順調に進んでいるものと判断る。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はなく、平成26年度には、主に遷移状態における検討を行う。また、これまでの層流混合における成果を研究論文として纏め公開する。現在、非対称撹拌に関する数値流動解析については改良を要する部分もあるので、本年度は非対称撹拌の解析コードの作成に注力する予定。 層流から乱流に至る広いレイノルズ数範囲の混合現象を統一的に取り扱う理論体系の構築について流れ場の詳細計測と、流脈面構造のモデル化を行い、検討していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の公開を目的とした論文の掲載が次年度となったため、当該の掲載料の支出が次年度となった。 研究計画に変更はない。本年度初頭に論文の掲載が確認された後、当該の支出を行う予定。
|
Research Products
(8 results)