2013 Fiscal Year Research-status Report
一流体スプレーノズルを用いたアクリルアミド高分子両性電解質液噴霧法による空気浄化
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24560930
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
並木 則和 工学院大学, 工学部, 教授 (40262555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵 直樹 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (20345383)
徳永 健 工学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30467873)
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Keywords | 高分子両性電解質 / 吸着 / 排ガス処理 / 揮発性有機化合物 / 液噴霧法 / 静電噴霧法 / 変調電磁場法 / 一流体スプレーノズル |
Research Abstract |
2年目では,一流体ノズルの除去性能を向上させるための静電噴霧法(ES)に代わる手法の探索および工場の実測計画の立案,液滴の噴霧状態の数値解析手法の確立を試みた。 担当I(並木)では,前年度データの再現性が乏しかったため,最初に評価装置の改良を行った。具体的には,トルエン蒸気発生部の容器を気密性の高い仕様に変更し,マスフローコントローラを装着して厳密な流量制御を行えるようにした。その結果,高風速域での比除去速度の値が前年度に比べて増加し,さらに再現性も向上した。次に,配管の防錆やスケール除去に用いられている変調電磁場(MEF)法の適用を試みた。MEF法は,100kHz前後の高周波の交流電圧を配管に巻いたコイルに印加して周期的に変化する電磁場を形成することにより,配管内を流れる流体中の粒子や高分子の凝集状態を緩和する効果があるとされている。また,ES法についても再度検討した。その結果,比除去速度がES法では1.6倍,MEF法では最大2倍増加した。当初ES法での性能向上を検討していたが,より扱いやすい手法であるMEF法で性能を向上させることが可能となったことから,実用的なシステム開発の可能性が高まった。 担当II(鍵・守田)では,工場での実測計画が都合により立てられなかったものの,前年度行った塗装工場での実測データから放出されるVOC成分をより詳細に調べた結果,トルエン以外にも評価対象とすべきVOC成分を候補として挙げた。 担当III(徳永)では,市販のCFDソフトウェアを用いて液滴の噴霧状態の数値解析を行った。具体的には,離散液滴モデル(DDM)法を活用し,ノズルの噴霧パターンの実測値に合うようにパラメータを設定した後,実験風洞内の液滴の噴霧状態を解析できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,最初に評価装置を改良してデータの再現性を向上させ,より安定したデータを取ることが可能となった。次に,変調磁場(MEF)法での性能向上が確認できたことから,実用的なシステム開発の可能性が高まった。一方,実測についてはこの1年で行えなかったものの,次年度で実行できるように計画を練り直している。 また,液滴の噴霧状態の解析も,市販のCFDソフトウェアである程度の解析が行えることを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,MEF法適用の最適条件を探索した上で,実際のVOC処理装置への適用を視野に入れる。なお,実際に実機ベースで一流体ノズルでのシステムの構築が不可能な場合には,既存二流体ノズルのシステムに適用し,その有効性を検証する予定である。 一方,数値解析を用いた検討では,解析で求められた噴霧液滴のデータを用いて差分化による物質収支モデルを立て,液滴へのトルエン蒸気への物質移動速度を求めた上で,実験風洞内でのトルエン濃度分布を求めて除去性能予測手法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度工場での実測が都合により行えなかったことによる。 次年度は工場での実測を行う予定であり,そのサンプリングおよび分析に必要な消耗品等に充当する予定である。
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