2013 Fiscal Year Research-status Report
ワイヤロープの内部疲労損傷メカニズムの解明と寿命予測への応用
Project/Area Number |
24561007
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
佐々木 哲也 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 機械システム安全研究グループ, 上席研究員 (60358413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 篤志 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 機械システム安全研究グループ, 研究員 (20541048)
本田 尚 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 機械システム安全研究グループ, 上席研究員 (80358415)
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Keywords | ワイヤロープ / 疲労 / 内部損傷 |
Research Abstract |
本年度は、ワイヤロープの内部疲労損傷特性評価、ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験、ワイヤロープ素線の応力評価の3項目について研究を実施する予定であった。 まず、ワイヤロープの内部疲労損傷特性評価では、φ16mmのフィラー型鋼心ワイヤロープIWRC6xFi(29)とウォリントンシール型鋼心ワイヤロープIWRC6xWS(31)のS字曲げ疲労試験を行い、可視断線発生時、4%可視断線検出時および10%可視断線検出時に疲労試験を打ち切った。その後、引張試験によって損傷したワイヤロープの残存強度を調査した。その結果、以下の知見が得られた。(1)IWRC6xFi(29)は可視断線発生時に内部断線が最大20%発生していたが、残存強度は60%以上あった。(2)IWRC6xFi(29)の残存強度は4%および10%可視断線検出時でほとんど変化せず、ロープ張力が小さくなるほど残存強度は低下した。(3)IWRC6xWS(31) は可視断線発生時に内部断線は観察されなかった。(4)IWRC6xWS(31) の残存強度を4%および10%可視断線検出時に調査したところ、フィラー形とは異なり、ロープ張力に大きく依存しないことが判明した。 一方、ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験については、ばねでパッドに圧縮力を加える治具を試作し、パッドの圧縮力と素線の負荷応力を変化させた疲労試験を実施しつつ、治具の改良を行った。しかし、十分な摩耗量が得られないなどの問題があるため、引き続き治具の改良を行っている。 ワイヤロープ素線の応力評価については、感圧シートによる応力測定のための機材を導入し、予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ワイヤロープの内部疲労損傷特性評価については、予定通り研究が進捗し、フィラー型とウォリントンシール型による内部疲労損傷特性や残存強度の違いが明らかになった。また、ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験については、実験の実施に必要な治具を作成したが、現状では十分な摩耗量が得られていない。また、時間のかかる疲労試験を優先したため、ワイヤロープ素線の応力評価については、予備実験までで本実験が行えなかった。 以上により、「やや遅れている。」という自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ワイヤロープの内部疲労損傷特性評価については、ほぼ予定した成果が得られているが、引き続き条件を追加して実験を行う。その際、ワイヤロープ素線の応力評価も併せて実施する。 ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験については、十分な摩耗量が得られるように治具を改良して、フレッティング疲労試験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ワイヤロープの内部疲労損傷特性評価に必要なワイヤロープ等の物品は当研究所で保有していた在庫品を流用できたため、購入する必要がなかった。また、ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験に必要な治具は当初外注を予定していたが、自作したため費用がかからなかった。 ワイヤロープ素線のフレッティング疲労試験用治具の改良、ワイヤロープ素線応力の測定に必要なひずみ測定用装置等に使用する。
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Research Products
(3 results)