2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24561033
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
磯部 兼嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門 六ヶ所核融合研究所, 研究主幹 (00354613)
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Keywords | 水素同位体 / 透過 / 溶接 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
平成25年度は、昨年度に購入したたSUS304ステンレス鋼管試験体に熱影響部の重なりがないように9箇所及び18箇所のTIG 溶接を施した試験体を作製した。その後、各々の試験体について、423K、473K、623K及び673K の温度における重水素の定常透過流量を測定した。その結果、昨年度実施した溶接部のない試験体との比較すると、623K 以上の温度では、溶接が無い試験体と9箇所及び18箇所のTIG 溶接を施した試験体の定常透過流量はほぼ一致し、溶接による透過への影響がないことが明らかとなった。一方、573K 並びに523K の温度では、溶接を施した試験体に重水素定常透過流量の増加が確認されたが、溶接箇所数による定常透過流量の差を明らかにするには至らなかった。また、溶接による熱影響部の定量評価を実施するため、金相観察のためのエッチング条件等を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原子力機構の福島第一原子力発電所事故への貢献として、汚染水処理対策に向けた国際公募への協力要請があり、2013年10月から3ヶ月間にわたり研究現場を離れることとなった。そのため、当該期間は研究の遂行が困難となり、研究の進捗がやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究がやや遅れているものの、水素透過に及ぼす溶接の影響が低温側で現れていることが判明し、かつ熱影響部の定量評価等に向けた準備も平成25年度中に完了している。そのため、実験条件を絞ることで当初予定していた透過データの蓄積は十分に達せられ、かつ定量評価には直ちに取りかかれる状況であることから、昨年度の遅れは回復可能である。また、溶接による熱影響部の水素分布を同定するために用いるトリチウムの可視化技術(イメージングプレート法、オートラジオグラフ法等)に必要な機器の整備は終了しており、今年度はこれらを用いた水素分布の同定を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出席を予定していたフランスで開催された国際会議(10th International Conference on Tritium Science and Technology)の期間が、福島第一原発への協力期間と重なったため出席を取りやめざるえなくなった。また、購入を予定していた物品も、購入手続きが出来ない状況となった。 今年度は、昨年度後半に購入予定であった重水素ガスや不均質試験体の追加作製、並びに国内での成果発表に当該研究費と請求する研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)