2013 Fiscal Year Research-status Report
クラスリン依存性小胞輸送の制御機構解明―ノックアウトマウスの利用―
Project/Area Number |
24570159
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
渡邊 利雄 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60201208)
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Keywords | 小胞輸送 / Arf1 / CALM / SMAP1 / SMAP2 / CALM-AF10 / 核外排出配列NES / アルツハイマー症 |
Research Abstract |
自作したノックアウトマウスを用いてArf1, CALM, SMAPの詳しい解析を行い、『真のクラスリン依存性の細胞内小胞輸送の姿』を提示することを目指し、当該年度は以下の研究を予定し実施した。 <ノックアウトマウスの解析> Arf1 KOを増やしE3.5胚の培養での異常の有無を検討した。Arf1conditional遺伝子改変マウスを作製し計画したとおりにできていることを確認した。CALM KOマウスと神経細胞でのノックダウン実験とを用いて、アルツハイマー症の原因のアミロイドタンパク質の蓄積にCALMが関与していることを共同研究で発見し、原著論文として公表した。SMAP2欠損マウスのオスは、精子の先体形成に異常を生じ、不妊であることを発見し、原著論文として公表した。 <細胞レベルでの解析> Arf1conditional 欠損E12.5日胚からのMEF細胞株の樹立を試み現在確認中である。CALM欠損MEF細胞を用いて、CALMが関与するエンドソームとTGN間でのCALM欠損の効果の解析を行い、取り込まれたチロシンキナーゼ型受容体の分解が阻害されていることが明らかとなった。SMAP1コンディショナルマウスを用いSMAP1(-/-):SMAP2(-/-)MEF細胞を樹立した。SMAP2はリサイクリングエンドソームからゴルジ体への物質輸送を制御することを明らかにし、原著論文として公表した。 <白血病キメラ遺伝子CALM-AF10の解析> 白血病発症には、CALMのNESが重要で、NES-AF10でCALM-AF10と同じ機能を有することから、各外排出機構によるエピジェネティック変化という新しい白血病発症モデルと提唱し、原著論文として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
<ノックアウトマウスの解析> Arf1 KOを増やしE3.5胚の培養での異常の有無を検討した。Arf1conditional遺伝子改変マウスを作製し計画したとおりにできていることを確認した。CALM KOマウスと神経細胞でのノックダウン実験とを用いて、アルツハイマー症の原因のアミロイドタンパク質の蓄積にCALMが関与していることを共同研究で発見し、原著論文として公表した。SMAP2欠損マウスのオスは、精子の先体形成に異常を生じ、不妊であることを発見し、原著論文として公表した。 <細胞レベルでの解析> Arf1conditional 欠損E12.5日胚からのMEF細胞株の樹立を試み現在確認中である。CALM欠損MEF細胞を用いて、CALMが関与するエンドソームとTGN間でのCALM欠損の効果の解析を行い、取り込まれたチロシンキナーゼ型受容体の分解が阻害されていることが明らかとなった。SMAP1コンディショナルマウスを用いSMAP1(-/-):SMAP2(-/-)MEF細胞を樹立した。SMAP2はリサイクリングエンドソームからゴルジ体への物質輸送を制御することを明らかにし、原著論文として公表した。 <白血病キメラ遺伝子CALM-AF10の解析> 白血病発症には、CALMのNESが重要で、NES-AF10でCALM-AF10と同じ機能を有することから、各外排出機構によるエピジェネティック変化という新しい白血病発症モデルと提唱し、原著論文として公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
自作したノックアウトマウスを用いてArf1, CALM, SMAPの詳しい解析を行い、『真のクラスリン依存性の細胞内小胞輸送の姿』を提示することを目指し行った本年度の成果をもとに、今後の研究は以下の方策で推進する。 <ノックアウトマウスの解析> Arf1 欠損E3.5胚の培養を行い、E5.5日で死亡するホモ欠損胚の細胞そのものに何らかの異常があるのかを免疫染色等で明らかにする。作製したArf1conditionalノックアウトマウスを用い、マウスでの組織特異的欠損による効果の検討を開始する。特に神経細胞、血管細胞、血液細胞に注目する。アルツハイマー症の原因のより詳細な解明や、老化に伴う脳組織でのCALMの機能や、骨の硬化における機能、体色の変化における機能等、組織特異的なCALMの機能を解明するのに必要性が増したCALM 1conditionalノックアウトマウス作製に必要なCALMの機能ドメイン解析を、自作したCALM欠損MEF細胞を用いて検討を始める。SMAP1, SMAP2二重ノックアウトマウス胚の異常を胚の免疫組織染色等でさらに検討する。SMAP1, SMAP2を組織得的に欠損させて生理機能への欠損の効果を探る。 <細胞レベルでの解析> 現在開始しているArf1 conditional欠損MEF細胞の樹立を行う。CALM 1conditionalノックアウトマウス作製に必要なCALMの機能ドメイン解析を、自作したCALM欠損MEF細胞を用いて検討を始める。特に自分たちで見つけたNESの重要性に注目して解析を行う。樹立したSMAP1, SMAP2二重ノックアウトMEF細胞を用いて、小胞輸送異常の解析を開始する。 <白血病キメラ遺伝子CALM-AF10の解析> CALM-AF10のさらなる機能解明を目指し、AF10欠損マウスの作製と解析に関して検討を始める。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] The Arf GAP SMAP2 is necessary for organized vesicle budding from the Trans-Golgi-network and subsequent acrosome formation in spermiogenesis.2013
Author(s)
T Funaki, S Kon, K Tanabe, W Natsume, S Sato, T Shimizu, N Yoshida, WF Wong, A Ogura, T Ogawa, K Inoue, N Ogonuki, H Miki, K Mochida, K Endoh, K Yomogida, M Fukumoto, R Horai, Y Iwakura, C Ito, K Toshimori, T Watanabe, and M Satake.
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Journal Title
Molecular Biology of the Cel
Volume: 24
Pages: 2633-2644
DOI
Peer Reviewed
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