2012 Fiscal Year Research-status Report
運動強度・運動量と味覚感受性との関係および加齢がその関係に及ぼす影響
Project/Area Number |
24570261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Aoyama University |
Principal Investigator |
中西 康人 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (50622669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 太郎 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40248084)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 味覚感受性 / 運動強度 / 4基本味 / 血糖値 / 発汗量 |
Research Abstract |
運動が四基本味に対する味覚感受性に及ぼす影響について体系的に検討するために、運動強度・運動量を変化させ、それに伴いどの味に対する味覚感受性がどの程度変化するのか検討するために研究を行った。 被験者として健康な若年男性8名(年齢20.9 ± 1.5才,身長170.0 ± 5.0cm,体重65.0 ± 8.1kg)を用い、運動条件は50%強度と70%強度の自転車こぎ運動を30分間行い、それぞれの運動前後で四基本味(酸味・塩味・甘味・苦味)の味覚検査(認知閾値検査)をテーストディスクに用いて行った。そして、運動に伴い変化する味覚感受性と密接に関連する生理指標(深部体温、血糖値、発汗量、舌温、乳酸値)の探索を行った。その結果、血糖値については運動前と運動後を比較して運動後に血糖値が減少した被験者(50%強度条件5名,70%強度条件2名)全員に甘味に対する感受性の上昇が見られた。深部体温、総発汗量、乳酸値、舌温と運動に伴い変化した味覚感受性との間に密接な関連性は見られなかった。また、今回の運動条件設定においては、運動強度の強弱による味覚感受性の変化の程度差は見られなかった。本研究において、運動によって引き起こされた血糖値減少が甘味感受性の上昇に寄与することが示唆された。このことは運動後に人は甘いものを欲すると言う生理に関与し、運動時のスポーツドリンクの味付け等にも有益な指針を与える可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の実験計画通りに全口腔法による味覚検査を各被験者について合計12回(12日間)行う予定で研究を進めていったところ、大幅な実験計画の遅れが生じた。また、味覚感受性には季節差が生じることから短期間(2週間以内)での実験完了の必要性、被験者への負担軽減の観点より実験方法を見直した。その結果、テーストディスクを使用し、被験者の測定必要日数を減少させることにより、実験進行の遅れを取り戻すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように実験方法の変更を行った。今後の推進方策としては、異なる環境温で行う運動が味覚感受性に及ぼす影響を検討することにより、運動に伴い変化する味覚感受性と密接に関連する生理指標(血糖値、発汗量、舌温等)のさらなる探索を行う。具体的には環境温25℃と35℃で自転車運動を行い、それぞれの環境下で運動が味覚感受性に及ぼす影響について研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
① 実験遂行のために必要な物品費<味覚検査用品・各種センサー・チューブスーツ等(約60万円) ② 実験のための人件費・謝金(約50万円) ③ 学会参加等のための旅費(約15万円) ④ 学会参加費用・加工費など(約5万円)
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