2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
恒次 祐子 独立行政法人森林総合研究所, 構造利用研究領域, 主任研究員 (00360397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 近赤外分光分析法 / 心拍変動性解析 / α-ピネン |
Research Abstract |
これまでに樹木や木材のにおい成分であるα-ピネン、リモネンを吸引することにより、血圧が低下するなどの効果があることを明らかにしてきた。また平成22~23年に実施した挑戦的萌芽研究(科学研究費補助金)では月齢1~3か月の乳児においてα-ピネンの呈示により心拍数が低下する可能性を見出した。本研究では萌芽研究を発展させ、さらに被験者数を増加させてデータの蓄積を行うとともに、乳児の成長に伴う反応の変化があるかを検証することを目的としている。 当該年度は生後6週~13週の男女乳児23名を被験者とする嗅覚刺激実験を実施した。α-ピネン(100μl)、リモネン(40μl)をそれぞれをろ紙に含浸させ、空気を送ることに よってにおいを呈示した。空気(対照)は空気とし、呈示順は対照を含めてランダムとした。まず安静を2分間取り、その後におい呈示を2分間、続いて再度安静を2分間取った。その間心電図 (心拍数ならびに 交感神経系活動、副交感神経系活動解析のため)、脳活動を連続的に測定した。また唾液アミラーゼ活性を安静前、におい呈示前、におい呈示後、安静後に測定した。解析は実験中に入眠・啼泣のあったケースを除外して行った。 結果としてα-ピネンの呈示により心拍数が有意に低下した。脳活動はにおい呈示により上昇する傾向であったが有意性は認められなかった。交感神経系活動、副交感神経系活動には有意な変化は認められなかった。 一部の被験者については数週間のインターバルをおいた繰り返し測定を実施した。次年度以降に繰り返し測定データの解析方法を検討し、乳児のにおいに対する経時的な反応の変化を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳児を対象とした匂いに対する反応の測定を実施し、さらに繰り返し測定の一部に着手することができた。計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き月齢約1か月の乳児を対象ににおいに対する生理的な応答を測定する実験を実施する。また24年度に蓄積したデータの解析を進め、学会にて発表することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は研究協力者の所属機関(企業)の意向により被験者への謝金の支払いを研究協力者所属機関より行ったため次年度使用額が生じた。今年度は当補助金より支出することを計画している。24年度に順調にデータの蓄積ができたため,次年度使用額は研究補助員を雇用するなどの目的に使用し、効率的に解析を進めたい。
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Research Products
(1 results)