2014 Fiscal Year Annual Research Report
原始的な花粉媒介システムにおける花香放出のタイミングと甲虫の概日リズムの関係
Project/Area Number |
24580077
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
塚田 森生 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (20273352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 由隆 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (40283519)
秋野 順治 京都工芸繊維大学, 生物資源フィールド科学教育研究センター, 教授 (40414875)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 花粉媒介 / 甲虫 / チェリモヤ / バンレイシ / アテモヤ / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
ハナバチの働かない有用植物について、進化の歴史をよく理解し、生産性の向上に資することを目的として、バンレイシ科の果樹チェリモヤやアテモヤを材料として、甲虫による訪花や花による甲虫の誘引などを明らかにしてきた。本年は、3年目として、花香の放出のタイミングに合わせて訪花甲虫がどのように花を訪れ、また花から出るのかを調査した。石垣島の圃場でバンレイシのつぼみに目の細かい網をかけ、♀ステージの15時,21時,3時,9時のいずれかから6時間網を外して、この後訪花昆虫を採集した。このとき、花香の強さも網を外している間に3回測定し、花香放出のダイナミクスと甲虫の行動の関連を見た。この結果、昨年までに得られているデータと同じく、性ステージの変化は6時前後に起こり、この時と、♀ステージの18時前後の合わせて2回、花香放出のピークがあることが多いことが確認された。そして、18時前後に最も多く訪花者があり、この半分程度の個体数が6時前後に訪花していた。これ以外の時間帯にはほとんど訪花しなかった。 室内実験のための赤外線による感知装置は完成し、クリイロデオキスイの行動の解析を行った。概略としては、夜間、特に朝夕の時間帯に行動が活発となるようであるが、供試昆虫を装置に導入することの刺激が長時間影響することが分かってきた。したがって、これについては将来さらに工夫が必要と思われる。 花香の分析によりほとんどがエステルであることは再確認されたが、主要成分を組み合わせて作成したトラップではこれまでのところ対象甲虫を捕獲できていない。対照区としてパイナップルを入れたトラップでは捕獲できるので、これをもとに改善に努め、誘引に有効な成分を特定したい。
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