2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモン応答の新規シグナル伝達制御メカニズムの解明
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24580149
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
亀村 和生 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 准教授 (00399437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 綾 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (50410965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | O-GlcNAc / ヒストン / エピジェネティックコード / アセチル化 / チューブリン |
Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナ培養細胞の核画分から、抗O-GlcNAc抗体を用いたウエスタンブロッティングにより分子量10-20 kDa領域に2種の抗体陽性バンドを検出した。核画分における分子量10-20 kDaの主要タンパク質はヒストンであることから、抗体陽性バンドがヒストンである可能性を検証し、ヒストンH3、およびH4が抗O-GlcNAc抗体陽性であることを突き止めた。ヒストンH3、およびH4が有する糖鎖構造について、ヘキソサミニダーゼを用いた解析より、非還元末端にGlcNAcを有する糖鎖であることを示した。これまでに植物のヒストンが糖鎖を有するという報告例はなく、本成果は初めての報告となることから、現在、成果発表の準備段階に入っている。なお、動物細胞では、ヒストンの化学修飾はエピジェネティックコードとして高い注目を集めているが、植物においての解析例は極めて少なく、この点において有益な報告となるであろう。また、シロイヌナズナ植物体タンパク質のトリプシン消化産物を用いたショットガン法によるLC-MS/MS解析により7種のO-GlcNAc修飾候補タンパク質を同定した。 本研究の遂行過程において、細胞分画の指標としたα-チューブリンのSDS電気泳動による挙動が細胞の状態に応じて変化することに気付いた。この要因としてα-チューブリンのアセチル化レベル変動が関与していることを見出した。動物細胞では、α-チューブリンのアセチル化は微小管の動的不安定性の調節機能をもち、細胞増殖や遊走と密接に関わる翻訳後修飾であることが多数の知見から明らかであるが、植物細胞においては殆ど解析例がなく、アセチル化α-チューブリンの存否すら明確ではなかった。そこで、シロイヌナズナをはじめ、被子植物界におけるアセチル化α-チューブリンの存否、ならびに、植物成長過程や組織におけるα-チューブリンのアセチル化動態等を解明した。
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