2013 Fiscal Year Research-status Report
間伐遅れと窒素飽和の複合作用が森林土壌の炭素蓄積量に及ぼす影響の解明
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24580232
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
相澤 州平 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (20353550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 江利子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20353584)
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Keywords | 間伐 |
Research Abstract |
2013年度に設定した試験地において試料採取、測定を継続するとともに、試験地の間伐を行った。また、間伐に先立ち、バイオマス測定のための伐倒調査を行った。リター量、リターフォール、リター分解速度測定のための採取試料は引き続き乾燥、調整を行い、今後分析に供する予定である。間伐は特に小径のものを除き全層間伐とした。間伐木は全木集材した。表層土壌の攪乱を軽減するため、伐採、搬出作業は冬季の積雪が十分ある時期に行った。林外に集積した材と枝条は次年度に融雪後に処理する予定である。樹種ごとの林分全体の本数間伐率はトドマツが38%、エゾマツ、アカエゾマツがともに37%であった。上層木と考えられる胸高直径16cm以上の本数を間伐前後で比較すると、トドマツが1510本/haから1060本/ha(間伐率29%)、エゾマツが1680本/haから1190本/ha(間伐率29%)、アカエゾマツが1680本/haから1140本/ha(間伐率32%)となった。間伐前の地上部バイオマスを測定するため、間伐前に各区5本ずつ試料木を伐倒し、各部の乾重を測定した。試料木は胸高直径が平均値付近のもの、最大値付近のもの、最小値付近のもの、最大値と平均値の中間のもの、最小値と平均値の中間ものの5本とし、アロメトリー式を作成して胸高直径から全木の乾重を計算することとした。試料木は伐倒後樹高、枝下高、胸高直径、枝下直径を測定し、高さ0~0.3m、0.3~1.3m、1.3m以上は2mごとに高さ別に幹を切断して、各区間の幹、枝、葉の生重を現場で測定した。このほか枯れ枝の重量を測定した水分率測定と炭素窒素分析のために幹については各区間の幹下部から円板を採取し、枝および葉については生枝の一部を、枯れ枝については枯れ枝の一部を採取した。試料は現在順次乾燥作業を行っており、次年度から調整と分析を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度に設定した各種試験は予定通り試料回収、データ収集を行った。試験地の間伐を予定通り実施し、間伐木を利用して地上部バイオマス調査を行った。試料の調整、分析と過去の成長データの解析に一部遅れは見られるものの、2014年度の主な計画は予定通り遂行したので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
間伐後の試料回収、データ収集を行い、間伐後のデータセットを揃える。試料調整、分析と過去の成長データの解析を進める。間伐木と枝条を処理する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当年度は試験地の間伐を実施した。間伐木と枝条は全て林外に持ち出すこととしたが、間伐を積雪期に実施したため試験地に通じる林道は車両の通行ができず、林外に集積した間伐木と枝条の運搬、処理は雪解け後の次年度に行う必要が生じた。このため間伐木と枝条の運搬、処理に関わる費用が余剰となった。 間伐木と枝条の運搬、処理費用として使用する。
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