2014 Fiscal Year Research-status Report
間伐遅れと窒素飽和の複合作用が森林土壌の炭素蓄積量に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
24580232
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
相澤 州平 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, グループ長 (20353550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 江利子 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (20353584)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地上部現存量 |
Outline of Annual Research Achievements |
間伐前の地上部バイオマス量を把握し施肥の影響を明らかにするため2013年度に実施した伐倒調査試料の分別と乾重測定を行い、林分の地上部バイオマスを計算した。葉と幹の試料は試料数が多かったため乾燥時間が十分に取れず、仮乾重とした。林分の各部地上部バイオマスは、試料木の各部の乾重とD2H(直径の2乗と樹高の積)の関係を毎木調査データに適用して求めた。試料木の幹乾重とD2Hの関係は施肥の有無にかかわらず樹種毎に同一の回帰直線で表すことができた。幹の現存量はトドマツではNPK区(窒素、カリウム、リンを含む肥料を毎年施用した試験区)が無施肥区より大きく、アカエゾマツではNPK区、NPK 6年区(窒素、カリウム、リンを含む肥料を6年間施用した試験区)が無施肥区より大きかった。エゾマツではNPK 6年区が最大で、NPK区より大きな値を示す無施肥区があるなど、一定の傾向が認められなかった。トドマツ、アカエゾマツは施肥により幹現存量が増大し、エゾマツでは施肥の効果がなかったと考えられる。2003年にエゾマツ、アカエゾマツを対象に行われた地上部バイオマス調査の結果では、エゾマツ、アカエゾマツの幹現存量の大小関係は2013年と同様であったことから、アカエゾマツの施肥による成長差は2003年以前の差がそのまま保たれており、最近10年間の施肥により差が拡大しなかったといえる。枝、葉の試料の完全な乾燥と各部試料の粉砕、分析は未了であったため次年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度に採取した試料を用いて間伐前の地上部現存量を測定したが、2013年度後半の庁舎耐震工事の影響で試料調整に遅れが生じ、窒素炭素含有率の測定が未着手となったことから、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
間伐後の試料回収、データ収集を行い、間伐後のデータセットを揃える。研究内容を整理し、遅れている試料分析を優先してとりまとめに備える。
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Causes of Carryover |
2013年度に実施した地上部バイオマス量調査の採取試料が想定より多かったことと、2013年度後半の庁舎耐震工事により作業に制約を受けたことから試料調整が遅れた。このため、試料調整に必要な非常勤職員の雇用に関わる経費の一部と分析に関わる経費が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試料調整、分析に使用する。
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Research Products
(2 results)