2014 Fiscal Year Annual Research Report
有明粘土地盤の強度・圧密特性の把握・解明と嵩上げ盛土時の干拓堤防の安定性評価
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24580357
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東 孝寛 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00181066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 政美 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 名誉教授 (80112316) [Withdrawn]
金山 素平 岩手大学, 農学部, 准教授 (60398104)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有明粘土地盤 / 強度特性 / 圧密特性 / 干拓堤防 / 嵩上げ盛土 / 挙動予測 / 安定性評価 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終(平成26)年度,有明粘土地盤の強度・圧密特性に関しては,新たに実施した有明海北岸域の乱さない有明粘土試料についての土質(力学)試験結果をもとに検討した。その結果,一軸圧縮試験から求まる非排水せん断強度(粘着力)を短期安定問題における設計強度として使用できることが分かり,一連の一面せん断試験結果からは,試料土の非排水せん断強度の異方性の特徴やHvorslev(ボシュレフ)の強度定数,非可逆比などが把握できた。嵩上げ盛土時の干拓堤防の安定性評価に関しては,有明海北岸域の過去にすべり破壊を起こした既存干拓堤防を解析対象として,弾塑性有限要素法を用いた2次元の圧密変形解析を実施した。解析では,実際のすべり破壊の特徴を定性的に説明することができた。 研究期間全体を通して得られた主な成果は,以下の通りである。有明粘土地盤の強度・圧密特性に関しては,一面せん断試験(有効土被り圧で圧密後に定体積せん断を実施),一軸圧縮試験,室内ベーンせん断試験から求まる3種類の非排水せん断強度間の関係を明らかにし,一軸圧縮試験から求まる非排水せん断強度(粘着力)を短期安定問題の設計強度として使用できることを実証した。また,試料の乱れ(主に応力解放)による非排水せん断強度の低下がかなり大きいことや,有明粘土(地盤)の強度増加率や内部摩擦角に密度(間隙比)依存性があることを把握するとともに,非排水せん断強度の異方性の特徴やHvorslevの破壊規準の適用性に関する新しい知見も得た。嵩上げ盛土時の干拓堤防の安定性評価(挙動予測を含む)に関しては,弾塑性有限要素法を用いた圧密変形解析により,干拓堤防における嵩上げ盛土時のすべり破壊の検討や嵩上げ後の残留沈下予測が可能なことが分かった。さらに,ニューラルネットワークモデルにより比較的早期の沈下観測データのみで精度の高い圧密沈下予測ができることを確認した。
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