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2013 Fiscal Year Research-status Report

植物由来の香辛エッセンスを利用した人と環境に優しい新線虫防除技術の開発

Research Project

Project/Area Number 24580372
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

御手洗 正文  宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)

Keywords線虫 / 不動化率 / 植物エッセンス
Research Abstract

本研究の目的は、農薬による線虫防除法の代替技術として、数種類の植物エッセンスによる「環境に優しく,人畜無害で,土壌の残留性がない線虫防除技術を確立」することである。特に、25年度は、木本類(シキミ)の葉のエッセンスを4種類の抽出方法(煮出し法、水蒸気蒸留法、含水アルコール法)で取り出し、線虫防除効果を原液の希釈倍率を4%~20%の条件で処理後1~7日間の効果を確認した。また、シキミの化学的主成分は、イリチン、アニサチン、サフロールとシキミ酸であることが判明したことから、特に試薬として入手できるシキミ酸について、高純度試薬を10 ppm~100 ppmに希釈してその効果を調査した。試験結果、次の事項が明らかになった。(1)煮出し法で抽出した原液エッセンスは、濃度20%で処理後1日目に94%の線虫不動化率を示し、濃度4%でも85%の効果が得られた。また、処理後7日目は、濃度20%で100%の線虫不動化率を示し、濃度4%でも95%と高い殺線虫効果があることが判明した。(2)水蒸気蒸留法で抽出した原液エッセンスは、濃度20%で処理後1日目に87%の線虫不動化率を示し、濃度4%では53%と効果がやや減少したが、処理後7日目は濃度20%で99%の線虫不動化率を示し、濃度4%でも87%の殺線虫効果が見られた。(3)含水アルコール法で抽出した原液エッセンスは、濃度20%で処理後1日目に99%の線虫不動化率を示し、濃度4%でも91%の効果が得られた。また、処理後7日目は、濃度20%で100%を示し、濃度4%でも99%と高い殺線虫効果が得られ含水アルコール抽出方が効果に優れている事が判明した。(4)シキミ酸とアルコールの効果試験では、50 ppm処理以上においてシキミ酸がアルコールよりも高い防除効果(76~77%)が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでの試験結果として以下の事を明らかにできたので、研究の目的はおおむね順調に進展しているものと判断している。
1.木本類(シキミ)の葉のエッセンスの抽出方法として、煮出し法、水蒸気蒸留法、含水アルコール法を適用し、防除に効果的な抽出方法を明らかにできた。
2.シキミの葉のエッセンス原液の処理濃度と線虫防除効果の関係を明らかにできた。
3.シキミの化学的主成分は、イリチン、アニサチン、サフロールとシキミ酸であるが、その中でシキミ酸の線虫防除効果と処理濃度の関係を明らかにできた。

Strategy for Future Research Activity

これまで対象としてきた植物は草本類のエッセンスであったが、木本類の葉や皮、根にも線虫防除効果のある化学的成分が含まれることが判明した。このことから、今後、さらに木本類の葉や皮、根の植物エッセンスによる線虫防除効果を明らかにしていく。
特に、26年度の試験計画としては、アセビエッセンスの適切な抽出方法と線虫防除効果の関係について明らかにしたい。また、エッセンスの抽出方法として煮出し法、水蒸気蒸留法、含水アルコール法、水出し法に加えて「酢液抽出液」の線虫防除効果を明らかにしたい。なお、最終試験として実験圃場での効果検証試験と作物への影響を調査する予定にしている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

計画通りに実験を行ったが、試験材料である植物寄生性線虫の生息数が10月以降減少し、実験内容を担保できる十分な土壌線虫数の確保が困難になった。そのため、植物エッセンスを土壌に直接処理する実験の遂行が難しく、実験の一部を次年度送りにせざる得なかった。これらは、外気温の変化ならびに前作物の栽培条件によって線虫生息数が変動したためである。
前年度の繰越金30万円は、本年度実験計画に25年度の再実験計画を追加して行うための謝金と消耗品費にあてる。また、土壌処理試験とエッセンス濃縮のためのエバボレーターの装置の追加ガラス器具を購入する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] トウガラシエッセンスによる植物寄生性線虫防除に関する基礎研究2014

    • Author(s)
      亀崎 秋恵・大森 結生・横山誠輝・御手洗 正文
    • Organizer
      農業食料工学会
    • Place of Presentation
      琉球大学農学部
    • Year and Date
      20140517-20140518

URL: 

Published: 2015-05-28  

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