2012 Fiscal Year Research-status Report
農作物生育に影響を与えないハウス屋根用太陽光発電システムの開発
Project/Area Number |
24580375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
吉田 晋 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10607310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福見 淳二 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30300627)
安野 卓 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (50263869)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 太陽光発電 |
Research Abstract |
農業への太陽光発電の応用として、ハウス下の農作物への必要な光量をコントロールして確保しながら太陽電池の発電量を最大化できる農業ハウス屋根用太陽光発電システム技術を確立する目的で研究を開始している。初年度の研究実績は次の通りである。 ①農業ハウス屋根に適用可能な、円筒型太陽電池を購入し、簡易計測回路を作成し冬季真昼のI-V特性の計測を行った。②気温・湿度・日射量による透過率・反射率をコントロールするため、高価な日射計を安価な太陽電池をセンサーとして利用する安価な計測装置の試作を行い、気温と日射量を安価に測定できる目処を立てることができた。③円筒型太陽電池下に設置するための角度変更可能な反射板装置の試作機を製作し、太陽の角度と反射板の角度の相関データを取得した。④屋外に設置した2種類の太陽電池の発電特性(I-V特性)を長期間ロギングできるI-V測定装置の製作依頼を行い入手。今後の実測データ取得が可能となっている。⑤地元の代表的な野菜で比較的短い期間で収穫できるチンゲンサイ・小松菜・大根葉・春菊を5種類の光透過率のシート下で育成し、透過率の違いによる生育調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初購入対象としていた円筒型太陽電池メーカー側の問題もあり、購入に時間がかかったことと、本研究に適したI-V特性測定装置の検討、設計に時間がかかり測定装置の完成納品が年度末となってしまったため、発電特性測定実験があまり進まなかった。 5種類の光透過率のシート下で4種類の野菜チンゲンサイ・小松菜・大根葉・春菊を育成する実験を行ったが、実際の畑で栽培したため、土の成分や水分のばらつき要素が少なからず影響し、透過率の違いによる生育比較するには不十分結果となった。また、畑での栽培実験の準備に時間がかかったため、10月下旬から12月上旬の栽培実験となり、気候的に年度内に再実験が実施できなかったため、当初計画した実験結果を得られところまで実験を進めることができなかった。実験が遅れたことにより平成24年度内に学会発表まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に準備した円筒型太陽電池、本研究用のI-V特性測定装置を有効に利用し、購入済みの円筒型太陽電池と、一般的なSi太陽電池を野外に設置し、日中のI-V特性を連続的に計測して、発電特性を詳細に検討する。また、平行して円筒型太陽電池下に角度変更可能な反射板装置を設置し、反射板の効果による発電量の測定実験を行う。 光透過率の異なるシート下での野菜の生育実験を、栄養分のばらつきがでる畑では無く、水耕栽培装置を用意して水耕栽培にてチンゲンサイ・小松菜・春菊を育成して、光透過率の違いによる生育調査の再実験を行う。 平成24年度の実験結果と合わせて平成25年度の実験結果を、学会発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の設備備品予算は、水耕栽培装置、太陽電池パネル、可動反射板実験装置、ハウス資材の購入を予定している。 また、旅費は、最新情報の収集および学会発表の為の旅費に利用する。 人件費・謝金は、ハウス設置や農作物栽培委託の為の人件費に利用を予定している。
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