2014 Fiscal Year Annual Research Report
栄養生理学的制御によるタンパク質分解関連遺伝子FBXO22発現調節機構の解明
Project/Area Number |
24580414
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
中島 一喜 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜生理栄養領域, 主任研究員 (70370583)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニワトリ / タンパク質分解 / FBXO22 / アトロジン-1 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に、鶏骨格筋において、グルココルチコイドがFBXO22遺伝子の発現を制御していることが明らかになった。そこで、本年度は、グルココルチコイドによるFBXO22の発現機構を明らかにするため、 グルココルチコイドレセプターをRNA干渉技術を用いてノックダウンし、FBOXO22発現による抑制作用に対する影響を調べ、グルココルチコイドで増加するアトロジン-1発現と比較することを目的とした。 まず、グルココルチコイドレセプターのアンタゴニストであるRU486を用いて、FBOXO22ならびにアトロジン-1発現に対する作用の違いを明らかにするため、鶏培養筋肉細胞をグルココルチコイドのデキサメタゾン、RU486、またはデキサメタゾン+RU486を含む培地で培養した。その結果、デキサメタゾンによりFBXO22は減少し、アトロジン-1発現は増加した。RU486単独ではFBXO22ならびにアトロジン-1発現に影響は及ぼさなかった。一方、デキサメタゾンによるFBXO22ならびにアトロジン-1発現に対する作用はRU486によりキャンセルされた。 次に、デキサメタゾンによるFBXO22ならびにアトロジン-1発現に対する作用をRNA干渉技術を用いてグルココルチコイドレセプターを介した作用によるものかを明らかにするため、鶏培養筋肉細胞にグルココルチコイドsiRNAを導入し、デキサメタゾン含む培地で培養した。その結果、グルココルチコイドsiRNAを導入した細胞では、デキサメタゾンによるFBXO22ならびにアトロジン-1発現に対する作用はキャンセルされた。 以上の結果は、鶏骨格筋において、FBXO22ならびにアトロジン-1遺伝子は、グルココルチコイドにより、グルココルチコイドレセレプターを介し発現調節されているが、その下流の調節機構が異なる可能性が示唆された。
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