2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山下 均 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (20342967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 褐色脂肪細胞 / UCP1 |
Research Abstract |
1、 転写因子遺伝子発現抑制系の構築と評価 褐色脂肪細胞の分化誘導と関連する可能性のある遺伝子について、市販のRNA発現抑制(RNAi)試薬を用いてマウス褐色脂肪細胞初代培養における分化への関与を検討した。その結果、4種類の遺伝子がその発現抑制によりUCP1遺伝子の発現も減少することを確認し褐色脂肪細胞の分化への関連が示唆された。これらの遺伝子について褐色脂肪細胞分化の過程における発現変化を調べた結果、褐色脂肪細胞の分化とともに発現上昇する遺伝子としてCreg1を見出した。次に、Creg1遺伝子を培養細胞で過剰発現するアデノウイルスベクター系の構築を行い、Creg1アデノウイルスの培養細胞への感染により褐色脂肪細胞への分化が促進されることを確認した。また、Creg1蛋白質と相互作用する蛋白質の同定のための実験系の構築を進めた。さらに、個体レベルでのCreg1機能を明らかにするためにCreg1トランスジェニックマウス作製のための準備を行った。 2、転写因子遺伝子発現ベクターの構築と評価 上記RNA発現抑制実験と平行して4種類の候補遺伝子をcDNAクローニングし、レトロウイルスベクターに挿入した発現ベクターを作製し、3T3-L1脂肪前駆細胞に感染して褐色脂肪細胞への分化に対する影響を検討したが、UCP1遺伝子の発現を増加し褐色脂肪細胞への分化を促進するという結果は得られなかった。使用する細胞を変えて再確認する必要があると考えられた。 3、以上の検討から、褐色脂肪細胞の分化誘導に関連する新規遺伝子としてCreg1を同定し特許申請を行った。また、2つの国内学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レトロウイルスベクター系を用いた検討については、使用細胞の適性に問題があり、明確な結果は得られなかったが、初代培養系やアデノウイルス系を用いた検討が予想以上に進み、褐色脂肪細胞の分化に関連する可能性の高い新規遺伝子Creg1の発見につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
1、in vivoにおける新規転写因子の褐色脂肪細胞誘導作用の検討 H24年度に見出したCreg1遺伝子について、Creg1発現アデノウイルスをマウスに感染し、個体レベルにおける褐色脂肪細胞誘導への作用を確認する。また、Creg1トランスジェニックマウスを作製し、そのマウスの表現型の解析を行う。 2、その他の有力遺伝子の評価 Creg1遺伝子以外の3種類の遺伝子について、培養細胞とマウスにおける発現解析などを行い、未分化細胞からの褐色脂肪細胞への分化や白色脂肪細胞から褐色脂肪細胞への分化転換について検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度において、研究が予想以上に順調に進み褐色脂肪細胞の分化に関連する可能性の高い新規遺伝子Creg1を見出す事ができたことから、Creg1トランスジェニックマウスの作製も開始した。その為の外部委託費(~50万円)を確保していたが、Creg1トランスジーンの構築に手間取りH25年度にずれ込むこととなりH24年度研究費の一部を繰越すこととなった。従って、H25年度は繰越額を含めて200万円の研究費の使用を計画している。内容としては、Creg1トランスジェニックマウスを作製と表現型解析、及びCreg1遺伝子以外の遺伝子の解析に必要な試薬などの消耗品に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)