2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規な2型糖尿病治療薬の開発を目指したSHIP2阻害剤のイン・シリコ分子設計
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24590058
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
合田 浩明 昭和大学, 薬学部, 教授 (60276160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SHIP2 / 糖尿病 / 阻害剤 / SBDD / ドラッグデザイン / 分子ドッキング計算 / 結合自由エネルギー計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.CPDAのSHIP2阻害能評価 我々は、これまで、化合物のSHIP2阻害能を、セルベースアッセイに基づいたインスリンシグナル増強作用(SHIP2阻害によるAktリン酸化レベルの亢進)の観察により間接的に評価していた。そこで、SHIP2阻害能を直接評価できるように、大腸菌を用いたSHIP2触媒ドメインの大量発現系を構築した。さらに、Malachite Green Phosphate Assay Kitを用いたSHIP2の酵素活性アッセイ系を構築した。このアッセイ系を用いてCPDAのSHIP2阻害能を評価したところ、CPDAは非常に強いSHIP2阻害能(IC50=4~5μM)を有することが明らかとなった。 2.CPDAのイン・シリコ構造最適化 精密分子ドッキング計算および結合自由エネルギー計算に基づいて、SHIP2との結合親和性が改善されると期待できるCPDA誘導体の分子設計を行った。その結果、CPDAが有するジフロロベンゼンの4位の位置に、β-グリコシド結合でガラクトース、グルコース、あるいはマンノースを付加した誘導体において、結合親和性の大きな改善が期待できることがわかった。 3.イン・シリコスクリーニングに基づいた新たなSHIP2阻害剤候補化合物の探索 高速分子ドッキング計算に基づいた多段階イン・シリコスクリーニングにより、化合物データベース(約400万化合物)から、平成25年度に構築したCPDAーSHIP2複合体モデル中の相互作用様式をよく模倣できる化合物を約20個程度抽出した。これら抽出された化合物は、CPDAとは異なる骨格を持つ新たなSHIP2阻害剤としての可能性が期待できる。
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