2014 Fiscal Year Annual Research Report
死細胞により誘導される炎症応答に対して老化が及ぼす影響とそのメカニズムの解明
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24590100
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
永田 喜三郎 東邦大学, 理学部, 准教授 (10291155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 老化 / 炎症 / アポトーシス / 貪食 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内でアポトーシスに陥った細胞は、マクロファージなどの貪食細胞によって速やかに除去される。しかし、この除去システムに何らかの破綻が生じると、アポトーシス細胞が残存し、ネクローシスに移行し細胞が原因となり、強い炎症応答を引き起こす。この炎症 応答は、老化に伴う様々な疾病に関わる可能性がある。そこで本研究では、アポトーシス細胞に対する応答やマクロファージの貪食能に着目し、アポトーシス細胞貪食除去における老化の影響を調べた。 投与したアポトーシス細胞の残存量を解析したところ、若年マウスでは速やかにアポトーシス細胞が除去されているのに対し、老化マウスでは長時間残存していることが確認できた。次に浸潤細胞を経時的に調べると、炎症応答時にみられる好中球の浸潤は 若年マウスと比較して老化マウスの方が有意に増加し、かつ、早期に浸潤していることが確認できた。 昨年までに老化マウスでは、腹腔常在性マクロファージの貪食能が低下し、アポトーシス細胞の速やかな除去が行われず、長時間アポトーシス細胞が残存し、強い炎症応答を引き起こすことを示した。また老化マウスの腹腔常在性マクロファージが、前活性化状態にあることも明らかにしており、この前活性化状態が、マクロファージのM1/M2マクロファージへの分化の差であることを示し、老化マウスでは、炎症性マクロファージであるM1マクロファージが有意に増加していることを明らかにした。
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