2014 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫系の恒常性維持におけるレチノイン酸産生酵素の役割とその発現制御機構の解明
Project/Area Number |
24590106
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
大岡 嘉治 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (60303971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レチノイン酸 / RALDH2 / Sp1 / RAR / GM-CSF / 樹状細胞 / 腸管免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸の所属リンパ節に存在する樹状細胞(DC)の一部は、ビタミンAを代謝してレチノイン酸(RA)を合成する酵素retinal dehydrogenase 2(RALDH2)を特異的に発現し、産生されたRAは、腸における免疫反応の制御に極めて重要な働きをしていることが知られているが、樹状細胞におけるRALDH2遺伝子の発現制御機構は殆ど不明であった。本研究課題において、マウス骨髄細胞から分化誘導した樹状細胞におけるレチノイン酸産生酵素RALDH2遺伝子の発現がGM-CSFにより誘導され、その誘導がレチノイン酸自身により増強されることを見出し、マウスRALDH2遺伝子のDNA配列を解析した結果、プロモーター領域近傍にCpGに富むCpG配列と、そのCpG配列中にRA応答配列(Retinoic acid responding element:RARE)ハーフサイトが存在することを見出した。このCpG配列には転写因子Sp1が結合し、RALDH2遺伝子の転写活性を促進した。また、RARアンタゴニストLE540やSp1の阻害剤であるMithramycin Aは樹状細胞におけるRALDH2の発現を顕著に阻害した。一方、RAREハーフサイトは、ヒト、マウスをはじめ広く種を超えて保存されており、実際、このRAREハーフサイトにRA受容体(RAR)/レチノイドX受容体(RXR)が結合すると、RA存在下、転写因子Sp1と協調してRALDH2遺伝子の転写を活性化することを明らかにした。
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