2013 Fiscal Year Research-status Report
抗癌剤としての非塩基性アミノ酸P1部を有する新規プラスミン阻害剤の開発
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24590154
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
手納 直規 広島国際大学, 薬学部, 教授 (00535586)
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Keywords | プラスミン阻害剤 / Warhead / ニトリル / 構造活性相関 |
Research Abstract |
昨年、新規の非塩基性を有する非天然型アミノ酸(P1部)の合成は有用な合成中間体を経て3種合成し、いずれも先のP3、P2のビルディングブロックと縮合後、阻害活性を測定した。結果は予想に反し、阻害活性は認められなかった。それ理由としては、これら阻害剤の大きな特徴であるP1残基に配置されているwarheadにより空間配置が固定され非塩基性基がS1サイトに入り込めないことに由来するであろうと考えられる。今年度、ここで得られた結果を基に、scaffold上にP1部と他のサブサイトと相互作用する官能基(P2, P3またはP4部)を置き、全く新規の非ペプチド性プラスミン阻害剤の開発に成功した。また、P1部とP4部を持つ阻害剤が阻害活性を発揮することは、プラスミン阻害剤では全く初めての事実である。これらの結果は、Bioorg. Med. Chem., 2014, 22, 2339–2352.に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物品費で購入した高速液体クロマトグラフィーの存在は研究結果(化合物合成~阻害活性測定にかかる日数)を得るまでの日数を削減した。分析HPLC~分取HPLCをパソコン上で切り替えを可能にしたことに起因する。また、これはHPLC自体の耐久性を延長するばかりでなく、簡便なメンテナンスを可能にした。 今後もこのクロマトシステムは大きな武器になるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度見出したP3、P2のビルディングブロックは、非ペプチド性プラスミン阻害剤開発においてS3、S2サイトの情報を与えた。この情報を基に複素環をscaffoldに持ち、そのscaffoldからP1部、P2あるいはP3部を配置した新規非ペプチド性プラスミン阻害剤を探索していくことに成功した。また、あるビルディングブロックを使用するとscaffold上の官能基はプラスミンのS4サブサイトと相互作用することが明らかとなったため、様々な官能基を導入しプラスミンのS4サブサイトの構造活性相関を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度高額の試薬と重溶媒を購入予定があり今年度の予算を圧縮した。 上記の購入を2015年の7~8月頃と年末2回に分け購入予定。
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Research Products
(1 results)