2012 Fiscal Year Research-status Report
未分化細胞の不均一な反応性と可逆的分化の分子メカニズム
Project/Area Number |
24590232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 秀治 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (90447318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有泉 高史 玉川大学, 農学部, 教授 (30286166)
田中 利明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40263446)
二宮 裕將 東京大学, 総合文化研究科, 学術研究員 (40514237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生生物学 |
Research Abstract |
同一な濃度のActivinによる2種類の内胚葉への分化メカニズムの解明については、まず、ツメガエルのDNAアレイ解析から得られた多数の候補のうち、胚の外層/内層特異的に発現する遺伝子についてツメガエル胚を用いてホールマウントハイブリダイゼーションを行い、候補を絞ることに成功した。一方、マウス胚の研究から、卵内で局在化して存在するHippo-Yap Pathwayの遺伝子群がマウス胚の内層と外層の分化に関与していることが知られている。そこでHippo Pathwayの構成因子(Mst1、Mst2、Lats1、Lats2、Yap1、Tead)をツメガエルでクローニングし解析した。これらの遺伝子はツメガエル卵では局在した発現をしておらず、マウス胚の胚体と胚体外を形成するメカニズムはツメガエルでは保存されていないことが明らかになった。また、Mst2は神経胚期に胚の造血領域に局在化して発現し、血球分化・細胞増殖のスイッチとして機能していることが明らかになった(Nejigane et al. 2013)。この研究により、マウス卵の胚体と胚体外をわける最初のシステムは目的のシステムでないことがわかった。また、ヒトiPS細胞の反応性の違いについては当初生体染色法を検討していたが、細胞へのダメージが大きく現在のところうまくいっていない。そこで、iPS細胞のコロニー数十個を中心部と周辺部に切り分けてサンプリングし、DNAアレイを用いて発現量に差があるものを抽出した。この結果、ほとんどの遺伝子の発現量に変化がないのにも関わらずNodal、Lefty、Nanogが周辺部に数十倍多く発現していることが明らかになった。この結果は当初予想したようにそもそもコロニーの中には微小環境による遺伝子発現の違いがあることが確認された。これらが均一な分化の妨げ、および可逆的な分化の原因になっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 同一な濃度のActivinによる2種類の内胚葉への分化メカニズムの解明の特異的遺伝子マーカーの収集についてはツメガエルのステップまでは順調に進んでいる。マウスの胚を用いた確認を予定していたが、概要にも記載したようにマウスと両生類でシステムが違うことが明らかになったため、ステージなどの検討を要するため中断している。ヒトiPS細胞の反応性の違いの原理解明については、生体染色法はアーティファクトが出やすかったため、外科的に細胞のコロニーを切り分けて遺伝子発現を比較する方法に変更した。物理的に引きはがすため細胞の運動による移動を阻止できるので生体染色法と遜色なく解析が行えた。DNAアレイを行って、発現量が大きく異なる遺伝子を見いだした。これ以外の遺伝子は顕著な差がみられないためこれらが反応性の違いを生み出す原因と考えられる。 (2) ヒトiPS細胞が示す可逆的な分化のメカニズムの解明については他の予備的研究から大きな差が見いだされたためほかの細胞を用いた検証は行っていない。その予備的研究とは25年度以降に予定していたヒトiPS細胞を内胚葉へ不可逆的に分化させる方法の開発である。24年度にこの予備的研究を始めたところ、Activin単独処理ではなく、Wntシグナルのアゴニストを適宜加えることにより、Nanogの発現を抑えて可逆的に分化させることができることを見いだした。この結果は現在論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)の「同一な濃度のActivinによる2種類の内胚葉への分化メカニズムの解明」および(2)の「ヒトiPS細胞が示す可逆的な分化のメカニズムの解明」については予定通りに研究を進める。(3)のヒトiPS細胞を用いた2種類の内胚葉の単独誘導法と不可逆的分化誘導法の開発に関しては24年度にかなり先行して研究成果が出ているので計画以上に発展させて研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用計画は当初の計画通りである。 150000円の繰り越し(田中)があるが、これを次年度に行う予定のフローサイトメトリーの費用に充当する。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Analysis of the Xenopus laevis J-strain genome by BAC end sequencing, FISH, and RNA-sequence2012
Author(s)
Takahashi S, Toyoda A, Kuroki Y, Uno Y, Izutsu Y, Suzuki A, Michiue T, Ogino H, Ochi H, Tanaka T, Fukui A, Ito Y, Ueno N, Asashima M, Matsuda Y, Taira M, Fujiyama A.
Organizer
14th International Xenopus Conference
Place of Presentation
Club Belambra(Gien Peninsula, France)
Year and Date
20120909-20120913
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[Presentation] Massively parallel regulation of head and non-head genes by Otx2, Lim1 and Gsc underlies the evolution of the head organizer in the chordate.2012
Author(s)
Yuuri Yasuoka, Yutaka Suzuki, Shuji Takahashi, Norihiro Sudou, Yoshikazu Haramoto, Yukiko Tandou, Kaoru Kubokawa, Ken W. Cho, Makoto Asashima, Sumio Sugano, Masanori Taira
Organizer
第45回日本発生生物学会大会
Place of Presentation
神戸国際会議場(神戸)
Year and Date
20120528-20120531
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[Presentation] What we can do with over 300 billion bases of RNA-seq data: The case of Xenopus laevis genome project.
Author(s)
Taejoon Kwon, Shuji Takahashi, Toshiaki Tanaka, Hideki Noguchi, Atsushi Toyoda, Asao Fujiyama, Yutaka Suzuki, Naoto Ueno, Masanori Taira, John B. Wallingford, Edward M. Marcotte.
Organizer
International Symposium on Genome Science
Place of Presentation
The University of Tokyo, Ito International Research Center(東京)
Invited
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[Presentation] Analysis of the Xenopus laevis J-strain genome by BAC end sequencing, FISH, and RNA-sequence
Author(s)
Shuji Takahashi, Atsushi Toyoda, Yoko Kuroki, Yoshinobu Uno, Hideki Noguchi, Yumi Izutsu, Atsushi Suzuki, Tatsuo Michiue, Hajime Ogino, Hirofumi Ochi, Toshiaki Tanaka et al.
Organizer
International Symposium on Genome Science
Place of Presentation
The University of Tokyo, Ito International Research Center(東京)
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