2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24590337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
高橋 英夫 近畿大学, 医学部, 教授 (60335627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恭子 近畿大学, 医学部, 助教 (10512197)
劉 克約 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40432637)
西堀 正洋 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50135943)
丹羽 淳子 近畿大学, 医学部, 講師 (60122082)
大島 佳奈 近畿大学, 医学部, 助手 (60278653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | High mobility group box1 / SHR / 高血圧症 / 抗HMGB1抗体 |
Research Abstract |
・High mobility group box1(HMGB1)は、元々クロマチンに結合する構造蛋白あるいは遺伝子の転写・調節に関与する核内蛋白として知られてきたが、免疫応答に大きく関与していることが近年の研究で明らかになった。 HMGB1の受容体として、toll-like receptor (TLR)-2、TLR-4、receptor for advanced glycation end product (RAGE)がある。申請者らは、HMGB1が脳梗塞、くも膜下出血、アテローム性動脈硬化症などの生活習慣病の原因因子で、抗HMGB1抗体でこれらを抑制できることを報告した(Liu, Takahashi et al. FASEB J 2007: Zhang, Takahashi et al. Stroke 2011: Bobik, Takahashi et al. Circulation 2009)。また、これらの疾患の抗体療法として特許成立させた(特許第3876325号: 脳梗塞抑制剤、特許第3882090号/脳血管攣縮抑制剤)。 ・申請者らは、HMGB1の高血圧症の病態生理への関与についてはまだ明らかではないので、ヒト本態性高血圧症のモデル動物として高血圧症自然発症ラット(spontaneously hypertensive rat; SHR)、脳卒中易発症SHR(stroke-prone SHR, SHRSP)、悪性SHRSP (malignant SHRSP,M-SHRSP)のモデル動物3系統を用いて検討してきた。 ・抗HMGB1抗体投与群とコントロール抗体投与両群とで比較検討した結果、血圧上昇の程度に差が見られなかった。しかし、脳、肝臓、腎臓における出血などの組織所見に差が見られた。従って、抗HMGB1抗体の量や投与法に改善の余地が見られると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
① 高血圧症自然発症モデル動物3系統を用いた検討の結果、HMGB1が血圧上昇の際に見られる脳、肝臓、腎臓における出血などに関与することがわかった。 ② 特に、脳卒中後の生存に関与することを示唆する結果を得た。これまでに、申請者らが、MCAO脳梗塞モデル実験から得た、HMGB1が梗塞直後に脳関門の破綻を誘導し、脳神経障害を誘導するという所見に加えて、本モデルを用いた長期観察では、HMGB1は脳神経再生を誘導して生存率を向上させていることがわかった。 ③ 共同研究グループで、抗HMGB1抗体にかわる、HMGB1の作用を調節しうる化合物開発が出来た(特願2012-129232)。
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Strategy for Future Research Activity |
① 抗HMGB1抗体の量や投与法を変えて、抗HMGB1抗体投与群とコントロール抗体投与群との2群で比較検討し、両群で血圧上昇について比較検討する。 ② 脳、肝臓、腎臓における出血などの組織所見の変化について解析を続ける。 ③ HMGB1が脳神経再生を誘導して、生存率を向上させることについてさらに検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
組織所見の変化について解析をするために、モデル動物、Western用試薬、抗体、ELISA等を購入する。また、関連する研究者との情報交換会を行い、研究を円滑に進めたい。
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Research Products
(4 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 好中球活性化調節剤2012
Inventor(s)
西堀正洋,森秀治,和氣秀徳,髙橋英夫,劉克約,勅使河原匡
Industrial Property Rights Holder
西堀正洋,森秀治,和氣秀徳,髙橋英夫,劉克約,勅使河原匡
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
特願2012-129232
Filing Date
2012-06-06