2012 Fiscal Year Research-status Report
新規脂質代謝酵素群PLA/ATファミリーの内因性基質の同定とそれらの生理機能解析
Project/Area Number |
24590355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宇山 徹 香川大学, 医学部, 助教 (30457337)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PLA/ATファミリー / HRASLSファミリー / 脂質代謝酵素 / アシル転移酵素 / ホスホリパーゼA1/A2 / リン脂質 / N-アシルホスファチジルエタノールアミン / N-アシルエタノールアミン |
Research Abstract |
我々は最近、癌抑制遺伝子として単離されていた5分子のHRASLSファミリー (HRASLS1-5) すべてがリン脂質を基質とした脂質代謝酵素活性を示すことを見出し、これらをphospholipase A/acyltransferase (PLA/AT)-1-5と名付けた。しかしながら、PLA/ATファミリーが細胞内においても酵素として機能しているか否かは明らかになっておらず、その生理機能には不明な点が多い。これより本研究では、PLA/AT-2 (別名HRASLS2) を安定的に過剰発現するHEK293細胞株 (PLA/AT-2発現細胞) を樹立し、同分子の生理機能を細胞レベルで解析した。PLA/AT-2発現細胞を[14C]エタノールアミンで代謝標識し、脂質抽出物を薄層クロマトグラフィーで解析したところ、生理活性脂質であるN-アシルエタノールアミンとその前駆体であるN-アシルホスファチジルエタノールアミンが蓄積していた。LC-MS/MSによるリン脂質の解析からも同様の結果が得られた。これらの脂質の増加は、酵素活性をもたないPLA/AT-2のC113S変異体を発現させた細胞では見られなかった。これより、PLA/AT-2は細胞内においてN-アシルホスファチジルエタノールアミンを生成する脂質代謝酵素として機能している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した内容の多くは達成でき、おおむね期待していた結果が得られた。しかしながら、一部の研究に関しては、予定していたほどは進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が見出してきたPLA/ATファミリーの生理機能について、さらに理解を深めていきたい。また、交付申請書に記載した研究内容で、まだ着手できてない部分があるので、これを今後推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(8 results)