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2013 Fiscal Year Research-status Report

マラリア原虫感染時における樹状細胞の発生分化プログラムに関する研究

Research Project

Project/Area Number 24590507
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

田村 隆彦  金沢大学, 薬学系, 助教 (00434035)

Keywordsマラリア
Research Abstract

前年度に引き続き、マラリア感染時における樹状細胞(DC)のホメオスタシス機構のより詳細な理解のため、マウスマラリアPlasmodium berghei ANKA (PbA)感染における脾臓内のconventional DC(cDC)ならびにplasmacytoid DC(pDC)の細胞数の変動について解析した。その結果、PbA感染によりcDC, pDCとも細胞数が感染前と比較して有意に減少することが明らかになった。また、cDC, pDCともマラリア感染に伴い強い活性化が確認された(cDC:CD80,CD86,CD40 pDC:PDC-TREM,CD86発現)。よりアポトーシスに特化するため、活性型caspase-3発現を検討した。その結果、cDC、pDCともにPbA感染後、DCの活性化に伴って、活性型caspase-3が有意に増加していた。
Type I IFNの影響を調べるため、type I IFNの受容体であるIFNARの阻害抗体をPbA感染マウスに投与しDCに与える効果を検討した。その結果、cDCにおけるCD80, CD86発現が有意に減少し、それに伴い、cDCにおける活性型caspase-3発現が減少し、cDCの細胞数減少が回復した。typeI IFNがcDCの活性化に大きな影響があることが明らかになった。これらの結果からPbA感染時にcDCはIFN依存的に成熟化が進み最終的にcaspase-3の活性化が起こり死にいたると考えられる。
このようなマラリア感染時におけるDCの細胞数の減少はマラリア感染で見られるさまざまな病態発症と関連するものと考えられる(Tamura et al. Infection and Immunity, p3947, 2011, Tamura et al., Parasite Immunology, p87, 2014)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

PbA感染だけでなく、PyL感染でもcDC,pDC細胞数の減少や、caspase-3の活性化が明確に示され、これらの現象がマラリア感染で一般的にみられると証明された。また、IFNがマラリア感染時のcDCの活性化に極めて重要であることが明らかになり、論文化の目処がついた。

Strategy for Future Research Activity

マラリア感染後に見られるDCの細胞数減少:一定の結論が得られたので、論文作成、投稿、出版の予定である。
マラリア感染におけるCDP、pre-cDC、Ly6Chighmonocyteの解析:CDP、pre-cDC、 Ly6Chighmonocyteをフローサイトメトリー法により同定し、骨髄、末梢血、脾臓におけるそれらの細胞数をマラリア感染において経時的に解析する。Plasmodium berghei ANKA(PbA)感染における予備的実験は既に部分的に行っている。Plasmodium yoeliiなど他のマウスマラリア感染でも同様に解析する。細胞数だけでなくCDPに特徴的に発現するflt3、M-CSFRなどのサイトカイン受容体の発現量も確認する。CDPは活発に増殖する細胞であることが既に報告されているが、CDPをFACSによって精製し、PI染色によりCDPの細胞周期を測定し、マラリア感染を通じてCDPの細胞分裂速度に変化があるかどうか検討する。
骨髄細胞のDCへの分化能:マラリア感染マウスの骨髄細胞をGM-CSF, Flt3Lでin vitroで培養し、DCの細胞数や機能を解析する。
Flt3 ligandサイトカインの発現変動の確認:骨髄、末梢血、脾臓におけるFlt3 ligand発現の変化を定量的RT-PCRやELISA等の実験手法でマラリア感染において経時的に測定する。DCの発生分化に対する影響が報告されている他のサイトカイン、GM-CSFやM-CSFについても実験サンプルが転用できるはずなので同様に測定する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Flt3 ligand treatment modulates parasitemia during infection with rodent malaria parasites via MyD88- and IFN-γ-dependent mechanisms.2014

    • Author(s)
      Takahiko Tamura, Masoud Akbari, Kazumi Kimura, Daisuke Kimura and Katsuyuki Yui
    • Journal Title

      Parasite Immunology

      Volume: 36 Pages: 87-99

    • DOI

      10.1111/pim.12085.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 赤血球期マウスマラリア感染における従来型樹状細胞の減少はI型、II型インターフェロン依存的細胞死である

    • Author(s)
      田村隆彦、木村一美、由井克之、吉田栄人
    • Organizer
      日本寄生虫学会
    • Place of Presentation
      愛媛、松山

URL: 

Published: 2015-05-28  

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