2012 Fiscal Year Research-status Report
腸管寄生性原虫赤痢アメーバのリソソーム酵素輸送の分子機構の解明
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24590513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リソソーム / 小胞輸送 / 赤痢アメーバ / アメーバ症 / プロテアーゼ / アミラーゼ |
Research Abstract |
CPBF6の機能解析について論文を発表した(Furukawa et al., Infect. Immun., 2013)。 CPBFファミリーのリガンド探索について、CPBF1, 6, 8以外のCPBFについてHAタグを付した融合タンパク質の発現を行い、免疫沈降と質量分析により結合分子の検索を行った。CPBF2, CPBF10がalpha-amylaseと結合することが明らかとなった。CPBF6もalpha-amylaseと結合することから、3種類のCPBFが3種類のalpha-amylaseをリガンドとしていることが示唆された。 CPBF1の輸送機構について、タグの位置を変更した二種類のCPBF1について免疫沈降と質量分析により結合タンパク質を検索したところ、アクチン重合に関与するArp2/3複合体と結合する可能性が示された。 CPBFのバイオインフォマティックスによる構造解析について、産業総合研究所が解析拠点の一つとなっているの創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業の支援課題として採択され、解析を継続している。 CPBFの結晶構造解析について、愛媛大学プロテオサイエンスセンターとの共同研究により、コムギ胚芽無細胞系を用いてCPBF1,CPBF2の合成に成功した。CPBF2について結晶作成と構造解析を一度行ったが十分な強度の結晶ではなくデータを得ることができなかった。より純度の高いタンパク質の作成を目指して条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CPBFのリガンドや輸送に関与する分子メカニズムの同定を目指した免疫沈降と質量分析による分子同定は順調に行われた。産業総合研究所CBRC、愛媛大学プロテオサイエンスセンターとの共同研究も連絡を密にとることで滞りなく進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
結合が証明された分子(CPBF2, 10とamylase、CPBF1とArp2/3複合体)について詳細な検討を行い、各分子の機能との関連を明らかにする。 バイオインフォマティックスにより予想されたCPBFの構造を実験的に証明していく。 結晶構造解析に向けた取り組みを続ける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
結晶構造解析を見据えた組み換え体の作出に費用が必要と予想し、研究費を持ち越した。 組み換え体CPBFの合成と結晶構造解析に必要な消耗品費として主に使用する予定である。
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