2014 Fiscal Year Annual Research Report
腸管寄生性原虫赤痢アメーバのリソソーム酵素輸送の分子機構の解明
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24590513
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リソソーム / Entamoeba histolytica / 赤痢アメーバ / 小胞輸送 / プロテアーゼ / 加水分解酵素 / アメーバ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
赤痢アメーバ原虫の重要な病原因子である加水分解酵素群のリソソームへの輸送受容体である11のcysteine protease binding protein family (CPBF)分子のリガンドスクリーニングにより新たにCPBF2, CPBF7, CPBF10のリガンドが特定されたこと、CPBFが6つのbacterial pre-peptidase C-terminal domain (PPC)から構成されること、その系統解析、6つあるPPCドメイン単体でCPBF1においてそのリガンドであるCP-A5との結合が可能なこと、という一連の結果をまとめて論文を発表した(Marumo, Nakada-Tsukui et al., Int J Parasitol, 2014)。 CPBF1の結晶構造解析について、コムギ胚芽無細胞系で発現させたリガンド認識ドメイン全体(PPCドメイン6個)の結晶化は難しいと判断し、一つのPPCドメインの結晶化を試みた。リガンドであるCP-A5との結合がみられた3番目のPPCドメイン(C1D3)について、GST-融合タンパク質での大量発現と精製を試みた。しかし収量に限界があり断念した。続いて低温でタンパク質発現誘導を行う系で、His-tagとの融合タンパク質として発現させたところ、良好な可溶化率と発現量がみられたため、現在このタンパク質の精製方法の検討を行っている。 CPBF遺伝子発現抑制株のブタ大腸を用いたex-vivoでの大腸組織への侵入効率を検討した。11のCPBFのうち、CPBF5, 9を除く9種類について遺伝子発現抑制を確認した。ex-vivo実験を行ったところ、いくつかの株で侵入効率の低下や亢進が観察されたが、再現性を確認する必要がある。
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Research Products
(5 results)