2013 Fiscal Year Research-status Report
クリアランスタイムのある災害における要援護者搬送計画策定手法の開発
Project/Area Number |
24590641
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 則満 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (50293741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣内 大助 信州大学, 教育学部, 教授 (50424916)
倉橋 奨 愛知工業大学, 工学部, その他 (60510899)
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Keywords | 津波 / 傷病者搬送 / 災害医療 / 緊急地震速報 |
Research Abstract |
クリアランスタイム確保の新たな手段としての緊急地震速報による津波可能性を判定するモデルを検討し、表示するシステムを構築した。これは緊急地震速報のマグニチュードと深さを利用して、経験式から津波来襲の可能性を示すものである。精度はかなり落ちるが、これにより現状よりも約3分間のクリアランスタイムの確保が期待できる。 ケーススタディとして愛知県知多半島をとりあげ、上記システムによって津波発生からの初動が改善された場合を想定した負傷者搬送モデルを構築した。具体的には、津波からの避難に対するリスク認知を段階に分けて設定し、被災・負傷確率を仮定としておくとともに、後方医療機関へ搬送されるまでのリスクを設定した。主要な場所と医療機関と結ぶ主要アクセス道路ネットワークの津波被害予測から、ネットワークの脆弱性を検討し、これもパラメータとして、リスク評価に反映させることとした。 モデルの主要な部分の構築はほぼ終了し、最終年度は最新の被害予測を適用した道路ネットワークモデルの構築と、これを適用した搬送モデルの設定、および改善のための施策評価を行って、最終的に津波来襲までのクリアランスタイムの搬送活動全体に及ぼす重要性や、これを確保するためのシステムの有用性評価を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
評価モデルの主要な部分の構築はほぼ終了している。すなわち、地震発生から津波来襲までの「クリアランスタイム」を、緊急地震速報を利用してどのようにリスク認知を促すか、という部分と、その後の搬送活動を道路ネットワークも含めて評価する全体像の構築をすることができた。次年度は最終年度であり、ケーススタディとして南海トラフを震源とする地震の被害予測を適用して、モデルから導き出されるリスクの評価、効果的な改善策の提案などにつなぎたいと考えている、 以上より、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であることから、ケーススタディとして南海トラフを震源とする地震の被害予測を適用して、リスクの評価、効果的な改善策の提案などにつなぎたいと考えている。具体的には、緊急地震速報から予測される津波来襲可能性の精度をどのように表現し、住民に伝えれば良いのか、知らせた場合とそうでない場合のリスク認知の違いの定量化手法、その後の搬送活動リスクのパラメータ設定の調整などである。これらを通じて、クリアランスタイムの重要性、対策、さらにはその啓蒙方法までを提案したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
来年度が研究最終年次となることから、国際会議での成果の発表を行う予定であることから、支出予定額の一部を次年度に繰り越すこととした。 国際会議にて発表する方向で、研究成果のとりまとめと執筆を進めているところである。そのための英文校閲、旅費にあてる予定である。
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Research Products
(3 results)