2013 Fiscal Year Research-status Report
薬学的観点より副作用を早期に発見するためのバーチャルトレーニング法の構築
Project/Area Number |
24590647
|
Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
徳永 仁 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (60369171)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 圭創 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (00315293)
高村 徳人 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (20369169)
松岡 俊和 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (50150545)
瀬戸口 奈央 九州保健福祉大学, 薬学部, 助教 (50551305)
緒方 賢次 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (90509580)
|
Keywords | バーチャルトレーニング / シミュレーション / シナリオ / バイタルサイン / フィジカルアセスメント / 副作用 / 教材 / 薬学教育 |
Research Abstract |
これまでにバーチャルトレーニング法に使用するオリジナル症例シナリオを約20症例作成し、それらのシナリオで使用する心音、肺音、腸音を合成してきた。平成25年度はシナリオを約40症例まで増やし、それらの症例すべてに対して客観的情報と主観的情報を設定した。 (1)シナリオ作成:シナリオは基本的にA(来院時またはインタビュー時)、B(病態の継続または薬効の確認時)およびC(副作用の発現または薬効の確認時)ステップの3つからなる。薬物による副作用は、教科書レベルから重篤副作用レベルのものである。患者の全身状態は、パソコン画面上で採取した体温、血圧、脈拍、動脈血酸素飽和度、心電図、血糖値などの数値から推察を可能とし、スピーカーからその状態における心音、肺音、腸音の聴診を可能にする。これまでに約40症例を作成した。 (2)客観的情報の挿入:処方せんをはじめ、バイタルサイン、各病態時に確認すべき検査値データおよび体温、血圧、動脈血酸素飽和度、心電図、血糖値などの数値を詳細に設定した。 (3)主観的情報の挿入:患者から採取した心音(正常音,III音,IV音)、肺音(正常音,喘鳴音,捻髪音,水泡音)、腸音(正常音,亢進,減少,サブイレウス,イレウス)、体を見る(顔,輪郭,眼・眼瞼,口唇,口の中,首,肩,腕・手・指先,足・指先)、薬剤師からの質問(痛み,疲れ,だるさ,息切れ,息苦しさ,動悸,鼻水,鼻づまり,痰,吐気,便秘,下痢,食欲,体重変化,かゆみ,めまいは,尿の色,おしっこの出,お腹の張り,ガス,力が入らない,震え,しびれ,赤い斑点,のどの渇き,耳鳴り…などはありませんか)、橈骨・上腕・足背動脈の触診(脈拍,リズム)、非侵襲的医療機器から得られた数値(体温計,血圧計,パルスオキシメーター,携帯型心電図計,自己血糖測定器など)の回答を詳細に設定した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度までの研究計画では、薬学的観点より副作用を早期に発見するためのバーチャル形式でのトレーニング用ホームページの作成と公開、ならびに携帯型端末の使用を目指したアプリケーションの作成と公開の予定であった。しかしながら、バーチャルトレーニングのシナリオ作成自体が遅れていたために、それらのシナリオに登場する患者アバター(バーチャルペイシェント)や医療機器のピクチャーを確定することができに、専用ホームページの作成までには至らなかった。しかしながら、専用ホームページ内の要件定義と仕様設計・開発の打ち合わせは始まっている。各シナリオにおける患者からの情報としては、以下の項目に対する対応や問診による結果または音の設定はほぼ終了しつつある。 処方せんにより服用する医薬品、患者から採取した心音(正常音,III音,IV音)、肺音(正常音,喘鳴音,捻髪音,水泡音)、腸音(正常音,亢進,減少,サブイレウス,イレウス)、体を見る(顔,輪郭,眼・眼瞼,口唇,口の中,首,肩,腕・手・指先,足・指先)、質問をする(痛み,疲れ,だるさ,息切れ,息苦しさ,動悸,鼻水,鼻づまり,痰,吐気,便秘,下痢,食欲,体重変化,かゆみ,めまいは,尿の色,おしっこの出,お腹の張り,ガス,力が入らない,震え,しびれ,赤い斑点,どの渇き,耳鳴り…などはありませんか)、橈骨・上腕・足背動脈の触診(脈拍,リズム)、非侵襲的医療機器から得られた数値(体温計,血圧計,パルスオキシメーター,携帯型心電図計,自己血糖測定器など)
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに作成したシナリオ約40症例とそれらに関する客観的情報と主観的情報について平成26年度は本学薬剤師(研究分担者)との協議の上、修正を早急に図る予定である。また合成した心音(正常音,III音,IV音)、肺音(正常音,喘鳴音,捻髪音,水泡音)、腸音(正常音,亢進,減少,サブイレウス,イレウス)に関しても本学医師(研究分担者)の監修を得ながら確認と修正を行う予定である。さらに専用ホームページの作成に関しては、本学薬学情報学研究室担当教授(研究分担者)の協力を逐次得ながら学習教材として体裁を整える予定である。同時にシナリオ作成も継続して行い、最終年度(平成26年度)までには、病院、薬局または在宅などを想定した約50症例の患者シナリオをアップロードする予定である。薬物の適正使用の専門家が作成した信頼あるフィジカルアセスメントのトレーニングを可能とする学習教材にしたいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
副作用を早期に発見するためのバーチャルトレーニングのシナリオ作成が未完成のために、それらのシナリオに登場する患者アバター(バーチャルペイシェント)や医療機器のピクチャー作成を確定することができなかった。よって、バーチャルペイシェントの作成費用とホームページの制作・年間更新費用が繰り越しとなった。また、心音、肺音や腸音などの聴取に協力いただいた患者への謝金を予定していたが、実際に協力いただけるケースは得られていない。よって、音声は合成音で作成をするなど、当初の使用予定が大幅に変更となってきている。以上の理由から、今年度の予算分のうち105万円は繰り越し金となった。 研究内容は最終年度である平成26年度に一気に加速させ、研究を遂行する予定である。
|
Research Products
(5 results)