2013 Fiscal Year Research-status Report
磁気検出を利用した定量的なホモジニアス免疫検査システムの開発
Project/Area Number |
24590716
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
隈 博幸 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (40435136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 直孝 長崎国際大学, 薬学部, 名誉教授 (00091265)
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Keywords | 医療・福祉 / 磁気検出 / ホモジニアス / 免疫検査 |
Research Abstract |
平成25年度は、主に開発した免疫検査システムの臨床的評価にスポットをあて、各種蛋白質(免疫グロブリンやサイトカイン)、及びスギ花粉の検出実験を通して、BF分離不要な液相での磁気的検査法の定量性を確立し、その優位性を実証した。これまで、IL-4, IL-8, IgG, IgE,TSH, pTHについて安定的な検量線が得られており、かつ一次抗体固定化ビーズを導入することにより大幅な手間と検出時間の短縮が成果として挙げられる。現在、それら成果の臨床応用を視野に入れ、ヒト血液サンプル中の検出を行うとともに、環境分野への応用を目指し、スギ花粉の検出技術を開発・検討中である。 本成果は、平成25年5月にイタリアで開催された国際臨床化学会(IFCC)にて報告し、ポスターウォークディスカッションのテーマにも選定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、計測技術開発、微粒子開発、臨床プロトコールの開発を予定していた。このうち、計測技術については、最適な磁場モーメント負荷の大きさとタイミングについて検討し、おおむね順調に推移した。また、臨床プロトコール開発については、一次抗体固定化ビーズの開発がほぼ完了し、実用化に十分耐えうるビーズであることを実験結果として得ており、その成果を学会にて公表した。現在論文を作成中である。一方、微粒子開発については、市販品を超える性能(分散性)を持つ磁気マーカーについての検討を行ている最中であるが、当初予定より遅れている。 このように、計画より進展している小テーマ、計画より遅れている小テーマが混在しているが、総じておおむね当初予定通り進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(平成26年度)は最終年度であり、臨床評価に耐えうるシステムの開発を目指す。すでに基礎的検討を終えた検出物質を中心に、IFCC(International Federation of Clinical Chemistry)の基準に従った国際単位での統計学的解析を行い、既存の検査装置に対する優位性を示す。同時に、未修得な知的財産権(使途特許・国際特許を含む)の申請を行う。 一方で、実用に耐えうる自家製磁気マーカーの開発が遅れており、この微粒子開発を急がねばならないと考えている。現状では、市販のマーカーでもある程度の結果が出ているが、独自の微粒子を開発することで、検出限界の向上等、優位性がさらに強まるものと思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫検査システム(抗原抗体反応)に使用する予定であった抗体の作製を業者に依頼したが、その完成が遅れ、次年度に持ち越しとなったため。 完成した抗体の作製料に使用予定である。
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