2012 Fiscal Year Research-status Report
胎児期のエピジェネテイクスの変化がもたらす炎症発がん感受性を規定する因子の解明
Project/Area Number |
24590759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
立道 昌幸 昭和大学, 医学部, 准教授 (00318263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 春実 昭和大学, 医学部, 助教 (00396441)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DOHaD / メチル化 / 炎症発がん |
Research Abstract |
developmental origins of health and disease (DOHaD:胎児プログラミング仮説)すなわち、胎児期の栄養環境と糖尿病、動脈硬化性疾患、がんなどの生活習慣病発症との関連が注目されており、そのメカニズムとしてエピジェネテイクスの関与が示されている。本研究では、胎児期の栄養状態を変化させることによりゲノムにメチル化の差異を引き起こした仔体を作成し、発がん感受性、特に炎症発がんに対する感受性を検討することによって、発がん感受性を規定するエピジェネテイクスの因子を明らかにすることを目的とする。発がん感受性の検討には、p53ヘテロ欠損マウスを用いた、皮下プラスチック炎症モデルを使用する。現在、p53ヘテロ欠損同士のメイテイングと同時に親マウスに、AIN-93Gを基本飼料として、高、低葉酸食、普通食を与え、全ての飼料群において、F1マウスを得た。8W時にプラスチック板を挿入するとともに、血液、尾よりDNAを採取する予定である。現在得られているF1マウスは、p53ヘテロ、ホモ、ワイルドの3種類あるため、各遺伝子型におけるゲノムワイドのメチル化の程度を観察することによって、ゲノムのメチル化へのp53の関与を明らかにする。また、今後のp53ヘテロマウスにプラスチック板を挿入した炎症発がんモデルマウスを観察することによって高発がん感受性を示すエピジェネテイクスの影響を明らかにできるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
p53欠損マウスの系統維持に難航し、出産後の食殺が相次いだ。そのため、繁殖がうまくいかず計画よりもやや遅れた状態になっていた。しかし、現在では、妊娠・出産も安定してきており、現在特殊飼料にて飼育しているが、安定的に出産が得られている。近日中に、血液、尾からDNAを採取して解析を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた血液、尾よりDNAを採取し、ゲノムワイドでのメチル化の相違を、p53ヘテロ、ホモ欠損、ワイルドの3者において比較する。方法は、チップを用い網羅的な解析を行う。今後のp53ヘテロマウスにプラスチック板を挿入した炎症発がんモデルマウスの経過観察を行い、30週齢より早く発がんしたものは高発がん群として、それ以降に発がんしたものとを比較することによって高感受性群におけるエピジェネテイクスの要因を分析する。マウスでの知見が得られれば、人での応用を考え長野ー胃、大腸症例対照研究のサンプルを用いてメチル化の解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ゲノムワイドのメチル化の解析は外部委託するため、外注受託費用約20万x6サンプル=120万円が発生する。また、各種インフォマテイクスの解析(約30万)も必要となるためその解析費用が必要となる。得られた遺伝子についてのメチル化を確認するため、バイスルファイトシーケンス法を行うためシーケンスに関する費用が必要となる。マウスでの知見が得られれば、人での応用を考えパイロシーケンスを用いて人のサンプルを解析するためその費用が必要となる。(費用は解析するサンプル数に依存する。)
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