2012 Fiscal Year Research-status Report
石綿工場周辺住民の肺がん死亡リスクの上昇を再確認する
Project/Area Number |
24590824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
熊谷 信二 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (50250329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 疫学 / 石綿 |
Research Abstract |
1943年から1991年まで大量の茶石綿と白石綿を使用していた工場の周辺に、1992年1月時点に居住していた男性951人および女性956人を対象者とし、1992年1月1日から2012年12月31日までの21年間における石綿関連疾患による死亡状況を日本人の平均と比較することにより、石綿工場から飛散した石綿による健康影響を明らかにすることがこの調査の目的である。 調査に先立ち、産業医科大学倫理委員会において承認を得るとともに、羽島市および自治会の協力を得るため、羽島市アスベスト調査委員会(羽島市担当者、市会議員、自治会役員、住民、専門家)において調査計画を説明し了解を得た。 次いで対象者への調査依頼書および質問紙を作成した。対象者の氏名、性、生年月日、住所、喫煙歴については、前回の調査により情報を得ているので、この調査では2012年12月31日時点での生死の情報を取得することが必要である。そのため今回の質問紙にはあらかじめ対象者の氏名を記載しておき、各対象者の生死についての回答、死亡の場合は生年月日および死亡年月日の回答を依頼する方式とした。2013年2月に、依頼書および質問紙を返信用封筒とともに対象者宅に郵送し、2月中に41%から回答があった。3月に未回答の対象者に依頼書および質問紙を再郵送し、14%から回答があった。2013年3月31日時点での回答率は55%である。 現時点では回答率が低いため、質問紙の再々郵送、および電話依頼を行い、さらに回答を得る予定である。なお、当初の調査計画では、本年度に死亡診断書の取得も行う予定であったが、質問紙調査が遅れており、実施できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の調査計画では、質問紙調査を実施するとともに、死亡者については羽島市からの住民徐票の取得、法務局からの死亡診断書の取得を行う予定であった。しかしながら、羽島市アスベスト調査委員会での調整に時間がかかり、質問紙の郵送が2013年2月になった。そのため予定よりもやや遅れている。また3月に質問紙の再郵送を行ったが、現時点の回答率が55%と低く、さらに回答率を上げる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、質問紙の回答率を上げるため、質問紙の再々郵送、および電話依頼を行う。それでも低い場合は、羽島市および自治会の協力を得て、未回答者の生死情報を収集する。 次いで、死亡者については、羽島市から住民徐票の取得、法務局から死亡診断書記載事項証明(死因)の取得を行い、死因の直接原因となった病態を惹起した発端疾病、すなわち原死因を医学的因果関係に基づき、死亡診断書に記載された病名の中から確定する。死因の分類はICD10に従う。 肺癌、中皮腫、石綿肺(じん肺)による死亡者については、遺族への質問紙調査および聞き取り調査を行い、病歴、職歴、家庭内での石綿取り扱い、居住地、通学・通勤歴の情報を取得する。また、必要に応じて医療機関より診療情報を取得する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費が残ったのは、質問紙調査の開始が遅れたためであり、次年度に遅れている質問紙調査を進めるための郵送費に使用する。
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